2024.8.18

素晴らしき哉、先生!
櫻井佑樹

  • 劇団EXILE FC対象
  • 一部フリー
8月18日から放送開始の連続ドラマ『素晴らしき哉、先生!』で、“明るく元気なサッカー部のエース”という、まさに等身大の役を演じている櫻井佑樹。本人も「高校時代の自分のまま」と言っているが、撮影も“今どきの高校生のリアル”を追求した現場とのこと。今回はそんなドラマの撮影秘話や、サッカー選手を目指していた自身の高校生活をインタビュー。「僕は常に自然体」という言葉どおり、素のままの飾らないトークをお届け。

8月18日から出演ドラマ『素晴らしき哉、先生!』がスタートします。今作は昨年出演したタクフェス第11弾『晩餐』に続き、宅間孝行さん作・演出の作品。倍率35倍のオーディションで決まったそうですが、選ばれた決め手は何だったと思いますか?


タクフェスの公演中にオーディションがあり、宅間さんに「気取らず、素のままでいいよ」とアドバイスをもらっていました。

それはすごいですね。


ラッキーでした。あと僕の役はサッカー部なんですけど、元々は野球部の設定で。僕を含めサッカー部出身のキャストが多かったので急遽変えたそうです。しかも、僕が演じる本田大翔という役はちょっとカッコつけたチャラいキャラクターで、これは『晩餐』で演じていたホスト役に通じるものがあります。宅間さんが僕に合わせて、そういうキャラ設定にしてくれたのかなと思っています。

SNSにドラマ撮影中の制服姿の写真を上げていましたが、少しラフな制服の着こなし方で、明らかに校内で目立っているカースト上位の生徒のような佇まいでした。


本当ですか? でも制服の着こなし方は自分たちで考えました。僕の場合、たとえばシャツは第二ボタンまで開けるけど、ネクタイはしっかり締めて、裾はちょっと出して緩ませる。ズボンもしっかりきっちり履かずに少し着崩すみたいな、僕が高校生のときもこういう着方をしていました。

久しぶりに制服を着ていかがでした?


やっぱりうれしいです。撮影場所も学校をお借りしており、周りもみんな制服だから「高校ってこんな感じだったな」と当時を思い出しました。ただ、ひとつだけ慣れないのは僕らのクラス(3年C組)の生徒たちの顔面偏差値が高いこと。教室を見渡したとき、こんなクラスないよなって思いました(笑)。

同感です(笑)。


でも基本、宅間さんはリアルを求めたい方だと思うので、「自分が高校生だったころと今の高校生は違う。みんなにはリアルな今の高校生を演じてもらいたいから、口出しをしない」とおっしゃっていて。それぞれの背景についても、自分の役がどんな家庭環境でどんな風に育ったのか、自分たちで考えてきてという感じだったので演じやすかったです。撮影中も宅間さんと相談しながらですが、自分たちの意見を積極的に取り入れてくれたりと、好きなように演じさせてもらっている印象があります。

その中で櫻井さんなりにこだわったこと、意識したことは?


僕を含めサッカー部の子が3人いて、それぞれ性格が違うんですが、大翔は明るい性格で友達もたくさんいるタイプです。なので、いわゆるカーストの上のほうにいるキャラ作りをしようと思いました。サッカーもほかの部員より上手いけど、サッカー部自体が全国大会を目指すような感じではなくて。練習もそんなに厳しくないので少し抑えめにやるようにしました。

櫻井さんはJリーグユース選手でプロを目指していた人ですから。本気でやったらレベルが違いすぎちゃいます。


いやいや、そんなことはないですけど(笑)。ただサッカー部の練習シーンを撮るときも「どんな練習するかキミたちのほうがわかっているだろうから、自由にやって」と宅間さんからの指示はなくて。スタート、カットの掛け声もなく、本当に普通に練習をしているところをそのまま撮る感じで、これはバスケ部やほかの部活シーンも同じだったみたいです。

“放牧”状態だったんですね。


だから、みんな本当にがっつり汗をかいて、それを拭き取ることもなく、ずっと汗だくでした(笑)。でも、そのおかげでクラスみんなが自然に仲良くなったといいますか。そもそも3年C組は1年生からの持ち上がりのクラスという設定だから、宅間さんに「本当に仲良くなってほしい」と言われていました。なので、クランクイン前から、実際クラスにいたら仲良くなりそうなメンバー同士でご飯を食べに行ったり、互いのあだ名を決めたりして。何年も一緒にいる空気感が生まれるようにして、3年C組の“リアル”を作り上げていきました。

リアルという点では、今作はセリフ回しも違和感がまったくない。「実際の高校生はこんな言い方しないよね」と感じるような不自然なセリフがないので、自然とストーリーに入り込めました。


宅間さんの脚本は『晩餐』のときも日常会話に近いセリフが多いうえに、「自分のやりたいように変えていいよ」と1文字も脚本と合ってなくてもいいというレベルで変わることがあります。ドラマのセリフがリアルに聞こえるのも、そういう脚本に囚われない現場だったからだと思います。

それは俳優として貴重な経験ですね。


そうですね。すごくおもしろいですし、勉強になります。

櫻井さんが思う『素晴らしき哉、先生!』の見どころは?


まず生田(絵梨花)さん演じる主人公りお先生を含め、先生たちの苦労です。このドラマはそこをすごくリアルに描いていて、僕が高校生のころも先生たちはこんな思いをしていたのかなと思いました。学生たちも一人ひとりしっかり個性やキャラがあって、厳しい親の元で育った人、身体を張って母親を支えている人、悪い人たちとつるんでいる人……と、さまざまな背景があり、それぞれに物語がある。ドラマ自体はりお先生の目線が軸になっていますが、生徒たちの視点で観るといろんな人にいろんな人生があるんだなというおもしろさを感じてもらえると思います。

すごくいい子も、すごく悪い子も出てこないところがいいですよね。


そうですね。ちょっと悪い部分が見えても結果、いい人だったり、すごくいい人に見えてもどろっとした部分があったり、みんなちゃんと人間っぽい。劇的に性格が変わるということもなくて、「人間、そこまで変わり切れるもんじゃないよね」という部分も描かれているので、今、学生の方はもちろん、大人の方にも共感しながら見てもらえるんじゃないかなと思います。

櫻井さん自身は、学生時代はどんな子でしたか? 「高1のころはすごくモテた」というインタビュー記事を読んだことがあるのですが。


人生最大のピークは高1でした(笑)。当時はそれこそプロのサッカー選手を目指して本気でやっていたので、高校に行く前から先輩たちの間では「すごくサッカーが上手いやつが来る」って知られていたみたいで。1年の1学期がピークでした。

そのときはどんな気持ちでしたか?


もちろんすごくうれしかったです。でも、だんだん意識するようになって、そこでカッコつける自分が面倒くさくなってきたんです。だったら、全員友達になっちゃえと思って、好きな子を作ることもなく、みんなと友達になりました。そしたら結果、誰からもモテなくなり、高校3年のころにはちょっとおもしろい、いじられキャラっぽくなっていました(笑)。

それこそ大翔っぽいキャラですね。


まさにあのままです。宅間さんは僕のことをわかりきっていたんでしょうね(笑)。ドラマでは、そんな高校時代の僕が見られるので、そこも楽しみにしていただきたいです。

DRAMA information
『素晴らしき哉、先生!』
8月18日(日)スタート 毎週日曜22:00〜
※TVer、ABEMAにて見逃し配信あり
出演/生田絵梨花 ほか
脚本・演出/宅間孝行
https://www.asahi.co.jp/subakana_sensei/

photography_武井宏員
styling_能城匠
hair&make_Kohey(HAKU)
text_若松正子

【衣装クレジット】
《D/HILL》のジャケット¥66,000、《JOHAN SILVERMAN》のブレスレット¥88,000(ともにTEENY RANCH)
《A NORVEL DAY.》のシャツ¥42,900(JOYEUX)
《Scat》のリング[右手]¥16,500(Scat)
《LION HEART》のリング[左手]¥15,400(Sian PR)
《MARIHA》のイヤカフ¥27,500(MARIHA)
その他・スタイリスト私物

【お問い合わせ先】
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