THE JET BOY BANGERZ(以下TJBB)の快進撃が止まらない。2023年8月リリースのデビューシングル「Jettin'」はYouTube再生数480万超え、前作のEP『PHOTOGENIC』は4冠(オリコン週間アルバムランキング1位、オリコン週間合算アルバムランキング1位、billboard Japan Hot Album1位、moraハイレゾ アルバムランキング1位)に輝く快挙を成し遂げた。新作『What Time Is It?』は、そんなTJBBの圧倒的なヴォーカル/ラップ/ダンススキルを見せつけたスリリングなダンスチューン。さらなる進化を発揮した今作の注目ポイントやデビュー後1年の心境の変化、リリース記念フリーイベント『JET ENGINE』の感想など、10人の“今”を熱く語ってもらった。
古嶋滝(以下古嶋):いっぱいあります! この1年、たくさんのステージに立たせていただきましたが、なかでもいちばん大きかったのはEXILE THE SECOND(以下SECOND)さんのツアー(『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2024 "THE FAR EAST COWBOYZ"』)に帯同させていただいたこと。ライヴを0から作る過程を直接見せてもらい、勉強になりましたし、エンタテインメントの見せ方、ライヴでの在り方を学びました。その経験とともに、自分たちもいつか単独でライヴツアーをしたいという気持ちがメンバー全員すごく強くなったと思います。
桑原巧光(以下桑原):SECONDさんがMCで必ず僕らのことに触れてくださり、SECONDさんのファンの人たちもすごくウェルカムな雰囲気を作ってくれたんです。おかげで自信を持ちながらパフォーマンスできました。
古嶋:確かに。
桑原:あと『D.U.N.K. Showcase in KYOCERA DOME OSAKA』で初めて京セラドームに立ったときは「メチャクチャ広いな」って感動した反面、悔しさも感じました。あの一帯を全部自分たちだけで埋められるようなグループになりたい、そのためにもっと知名度を上げたいって、アーティスト活動への前向きな気持ちが120%になったので、すごくいい経験だったと思います。
田中彰(以下田中):何より大きな変化は、やっぱり、ファンの皆さんへ気持ち。SECONDさんのツアーやリリースイベント『JET ENGINE』、あとは台湾にも行かせていただいて、本当にいろんなところでパフォーマンスをしたんですが、いつもTEAM JETZの皆さんが来てくれていて。この1年はメチャクチャ忙しくて大変なときもあったけど、皆さんのメッセージや応援が活力になり、つながりをより強く感じました。今後どれだけ長く活動しても、ファンの方への感謝を忘れちゃいけないし、ずっと身近に感じていたいって強く実感した1年でした。
宇原雄飛(以下宇原):NOSUKEくんじゃない?
NOSUKE:え、オレじゃないでしょ。
古嶋:シゲ(佐藤蒼虎)はしっかり話せるようになったよね。公演終わったあとのコメント撮りとかも、メチャクチャ喋れるようになった。
佐藤蒼虎(以下蒼虎):僕、喋りはめっちゃ苦手で……。でも、MCを任されたときにしくじっちゃうのは自分的にも嫌だから、MCの上手いメンバーを見ながら流れとか盗んで真似するようにしたんですよ。
田中:でもMCはまだまだだけど?
一同:(笑)
蒼虎:いや、でも前は何を言っていいかわからなくて、アタフタしているだけだったけど、最近はスベっても何かしら喋り続けられるようになったっていうか。ちゃんと間を埋められるようになったかなと。
NOSUKE:ファンの人もシゲのその感じがわかって、そこがむしろいいみたいな、愛されキャラになってるよね。
中村碧(以下中村):僕は元々気が利くやつなので。
一同:いやいやいやいや(笑)。
中村:だって、あと片付けとか部屋のドアを閉めに行ったりとか、年下の僕がいつも最初に動いてるでしょ?
佐藤陽(以下陽):でも、やれって言われないと最後までやらない(笑)。
中村:(涼しい顔で)そう?
NOSUKE:そこらへんはやっぱ僕とか、年上組が教えてあげないと。リーダーなんかもうパパですからね。
田中:わかってくれます?
中村:この間「甘えたい」って言ってましたよ。
田中:甘えるっていうか(笑)、頼れるのは雄飛とかNOSUKEとか? でもみんな得意分野が違うから、分野ごとにちゃんと頼っているし、そもそも僕はまとめるのが好きなので、全然大丈夫ですよ。
宇原:無理はしないでくださいね。
田中:はい。
宇原:今回は初めてChaki Zuluさんの曲を歌わせてもらったんですが、楽曲メインというより振りメインというか。曲中の“チッチッチッ”っていう秒針の音に合わせてリズムを取る振りにするため、こういう曲調になったんですよ。振りが先っていうのは初めての試みですけど、TJBBはパフォーマンス重視のグループなのでそういう曲があってもいいかなと。これまでは早くてバチバチな曲ばっかりだったけど、これはアップテンポでもないし、かといってバラードでもないっていう絶妙なラインなんですよね。
古嶋:シリアスな感じ?
宇原:そう、シリアスで不思議な世界観をまとった曲。だから聴いたときは自分たちがやる想像がつかなかったけど、そこはやっぱりChaki Zuluさんなのでヒップホップ要素も入っていて、オシャレだし、遊び心もあって歌う前から楽しみでした。
エイロン:歌っているときも、特にサビの部分は一回聴いただけで病みつきになり、頭の中にずっと流れているぐらい中毒性があるんですよ。歌詞もいろんな解釈ができるような内容になっていて、誰に向かって歌っているのか聴く人によって変わってくる。そういう面は新しいなって思いました。
宇原:テーマは時間なので、ざっくり言うと無駄なことはせず、自分たちの夢をかなえるためだけに時間を使うって内容になっていて。〈君〉の束縛は無視をするし、〈君〉との時間は一瞬だけど、自分の練習には100時間かけるみたいな、そんなふうに時間を有意義に使うよって意味が込められているんです。
田中:〈君〉の解釈は人によって変わると思うけど、要は“誘惑”を擬人化したもの。夢に向かっているとき、いろんな誘惑が邪魔をするけど、それに振り回されようにしようって歌っているんです。
古嶋:遊んでいるだけだと、あっという間に時間は過ぎちゃうよってことですよね。
陽:僕はデモでもらった仮歌どおりにしようと思って、ずっと練習していたんですけど、いざレコーディングになったら、「もっと自分らしく歌っていいよ」って言われまして。碧とテンション感を合わせ、自分らしくラップするようにしました。
中村:僕は最初から自分の個性を出すようにしたんですけど、時間がテーマなのでがっつり声を前に出して歌うより、溜め感を出すようにしました。(作曲した)T.Kuraさんからも「気だるそうにやったほうがカッコいいんじゃない?」ってアドバイスをいただいたので、ちょっとだるそうな感じを意識して、こういう歌い方は新しかったのですごく楽しかったですよ。
古嶋:でも、この曲のグッと引き込む感じは陽というより陰だから、よりスキルが必要になってくる。そこは難しかったです。
石川晃多(以下石川):僕も今まで自分がやったことがないニュアンスだったので、ちょっと苦戦しました。デモに寄せ過ぎてもよくないので、そこに自分の味を織り交ぜながら歌うことを意識して、ブリッジの部分は自分の甘めな声を前面に出すようにしました。やっぱりブリッジは落ちる部分でもあるので、ほかとの違いをはっきり見せたかったんですよね。
宇原:僕は、逆に得意な曲調だったかもしれない。ちょっと力を抜いた気だるい曲のほうが聴くのも歌うのも好きなので、いつもどおりやれました。
古嶋:いやもう、カッコいいのひと言! 時計とか時間を意識した世界観に合わせて、時間軸が過去と未来で繰り広げられ、衣装とかもガラッと変わるんです。あと鏡張りの部屋で鏡に映った姿を撮ったりとか撮影方法もおもしろくて、映像的にもかなり見応えがある作品になっています。
田中:今回はパフォーマンスの映像も凝っています。進んだり戻ったりする動きで時間を表現した振り付けになっていて、みんなの手が千手観音みたいに広がり、ちょっとずつズレながらカッカッカって小刻みに動いていくんですよ。
田中:やっています。なかでも秒針の音が入るサビはストロボっていうダンススキルで、コマ送りにカチカチって動くような振りが見どころのひとつ。スムーズに流れたり、ちょっと止まったりしながら時間の歪みや変化を表現していて、前作はCGで映像のおもしろさを表現しましたけど、今回は自分たちのダンスでいろいろな映像を見せているんですよ。
陽:でも、ダンス自体はシンプル。パッと見できそうだけど、クオリティを高めるのは自由っていうか。
一同:は⁇
陽:その、何て言うか……、ピンキリダンス?
桑原:見た目的にはキャッチーで真似できるレベルだけど、いざやると難しい。やる人によってクオリティが変わるって言いたいんだと思います。
陽:そうそう! 突き詰めれば突き詰めるほど難しいよって話です。
宇原:わかります。ヴォーカル組がまさにそれで、やろうと思えばできる動きだけど、パフォーマー組と比べるとダンス的には全然できていないんですよ。
一同:それです!
陽:めちゃめちゃいい例え。
宇原:陽は核心を突いたことを言ってるんだけど、語彙力だけ足りない(笑)。そこをつけたら最強なんですけどね。
宇原:もう慣れたかも。
田中:陽になって考えると何を言いたいかわかる。
一同:優しい〜。
田中:いや、そこはチーム力です。
NOSUKE:毎日顔を合わせているから、誰が何を考え、何を言いたのかなんとなくわかる。機嫌がいいか悪いかも、めっちゃわかりますよ。
一同:滝? 碧?
陽:NOSUKEくんも結構出るかも。
古嶋:機嫌はみんな顔に出るでしょ。
田中:そうだね。疲れたらみんな顔に出る。特に滝とかは普段は元気でみんなを引っ張ってくれているから、ちょっとでもおとなしいとそれが目立つだけなんです。
宇原:今、リーダーは滝になって考えました。
一同:素晴らしい!(拍手)
エイロン:「CITY LIGHT」は「WEEKEND」に続いて2曲目のバラードなんですけど、サビの部分で新しくチャレンジしたいと思いまして、ヴォーカル3人で歌割を決め、サビも3人で回しています。そうすることで、それぞれの声質、僕なら情熱系、晃多なら哀愁系、雄飛はまっすぐな歌声みたいな、違うドラマをサビの中で表現できていると思うので注目して聴いてほしいです。
中村:この曲に関してはヴォーカルの掛け合いがすごい。3人の声が織り込まれていくように次々と変わっていくから、聴いていて飽きないんです。同時にバラードの世界観にもどんどん引き込まれていくので、僕、「CITY LIGHT」がTJBBのバラードの中でいちばん好きです。って、まだ2曲しかないけど(笑)。
一同:二択!(笑)
桑原:僕はストレートな歌詞も印象的でした。〈恋に落ちよう〉とか〈Kissをしたら〉とかここまで直接的に歌う歌詞ってあんまりないんじゃないかと思って、そのぶん情景描写がすぐ浮かんでスッと入ってきました。
宇原:しかも、これ、ちょっと“駆け落ち感”のある歌詞で、最後の〈このまま離さないForever〉とかは確実にその余韻や描写を映し出している。曲調的にも2番からR&B要素が混ざってガラッと雰囲気が変わるところは2人の未来を暗示している気がして、歌っていていいなと思いました。
中村:この曲は今のところヴォーカル3人のみの楽曲だけど、今後、大きなステージや単独でツアーができたときは、歌に合わせてパフォーマンスをしたい。ヴォーカルの3人がよければですけど……。
宇原:なんで気を使ってんの?(笑) いいに決まってるし。
中村:いや、3人だけで歌いたいとか見せたいとか、あるんじゃないかなって。
宇原:むしろ踊ってほしいよ。
古嶋:パフォーマンスが入ったら、楽曲の印象も変わるしね。
陽:まずヴォーカル3人の歌声を聴かせて、次に僕らが入れば2段階の楽しみがあると思う。
NOSUKE:楽しめるって意味では「BOYS -TJBB Anthem-」も、ファンの人たちと一緒に楽しめる楽曲です。最後のほうで雄飛が歌ったあと、僕らが〈T.J.B.B.〉って追っかけるパートがあるんですけど、ここをファンの人たちに一緒に歌ってほしくて。『JET ENGINE』でも、歌う前に陽がお客さんにレクチャーしているんですけど、本番で一緒に歌うと一体感がすごいんです。特典会でも「『BOYS〜』がいちばん楽しかった」って言っていただけるので、みんなで盛り上がれる曲だと思います。
中村:札幌がすごかったです。初めてパフォーマンスする地だったので、お客さんが来てくれるのか不安だったんですけど、いざ行ったらTEAM JETZの方やオーディションのころから僕たちを応援してくれた方がたくさん来てくれて。
NOSUKE:激暑だったのにありがたいよね。
中村:それで僕らも安心して自信がつきました。盛り上がりもすごかったので、もっと行ったことがない場所に行ってTEAM JETZの輪を広げていきたいって思いました。
NOSUKE:大阪とか名古屋もすげー盛り上がって、逆にこっちがびっくりするぐらいでした。
中村:特に名古屋は応援の声量がすごかった。
陽:“名古屋県”ね。
古嶋:赤ちゃんなんですよ(笑)。
陽:感性のままです。
NOSUKE:まぁ狙ってるフシはありますが。陽はこう見えて本当はめっちゃ考えているし、いちばん賢いんじゃないですか。
NOSUKE:いや、ラスボスではない(笑)。
陽:途中に出てくる小賢しいボスです。
NOSUKE:しゃらくさい系ですね。
宇原:いい人そうに見えて実はラスボスって、意外性があるのはダントツで彰くんでしょ。
一同:間違いない!(笑)
田中:裏も意外性もないから(笑)。
Photography_塩崎亨
Hair&make_竹島健二
Text_若松正子
EP Information
『What Time Is It?』
NOW ON SALE
【商品情報】
① 初回生産限定盤【CD+DVD】AICL-4591〜4592 ¥2,500(税込)
② 通常盤【CD】AICL-4593 ¥1,500(税込)
▼収録内容
[CD] ※全2形態共通
M-1. What Time Is It?
M-2. BOY -TJBB Anthem-
M-3. CITY LIGHT
[DVD] ※初回生産限定盤のみ
▼「What Time Is It?」 Music Video
▼STREAMING & DOWNLOAD
https://thejetboybangerz.bio.to/BjOQzt
昨年8月23日のデビューから約1年。これまでを振り返って心境の変化などはありましたか?
古嶋滝(以下古嶋):いっぱいあります! この1年、たくさんのステージに立たせていただきましたが、なかでもいちばん大きかったのはEXILE THE SECOND(以下SECOND)さんのツアー(『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2024 "THE FAR EAST COWBOYZ"』)に帯同させていただいたこと。ライヴを0から作る過程を直接見せてもらい、勉強になりましたし、エンタテインメントの見せ方、ライヴでの在り方を学びました。その経験とともに、自分たちもいつか単独でライヴツアーをしたいという気持ちがメンバー全員すごく強くなったと思います。
桑原巧光(以下桑原):SECONDさんがMCで必ず僕らのことに触れてくださり、SECONDさんのファンの人たちもすごくウェルカムな雰囲気を作ってくれたんです。おかげで自信を持ちながらパフォーマンスできました。
古嶋:確かに。
桑原:あと『D.U.N.K. Showcase in KYOCERA DOME OSAKA』で初めて京セラドームに立ったときは「メチャクチャ広いな」って感動した反面、悔しさも感じました。あの一帯を全部自分たちだけで埋められるようなグループになりたい、そのためにもっと知名度を上げたいって、アーティスト活動への前向きな気持ちが120%になったので、すごくいい経験だったと思います。
田中彰(以下田中):何より大きな変化は、やっぱり、ファンの皆さんへ気持ち。SECONDさんのツアーやリリースイベント『JET ENGINE』、あとは台湾にも行かせていただいて、本当にいろんなところでパフォーマンスをしたんですが、いつもTEAM JETZの皆さんが来てくれていて。この1年はメチャクチャ忙しくて大変なときもあったけど、皆さんのメッセージや応援が活力になり、つながりをより強く感じました。今後どれだけ長く活動しても、ファンの方への感謝を忘れちゃいけないし、ずっと身近に感じていたいって強く実感した1年でした。
お話を聞いていると、皆さん、すごくたくましくなった気がするのですが、メンバーから見て特に成長したのは誰だと思います?
宇原雄飛(以下宇原):NOSUKEくんじゃない?
NOSUKE:え、オレじゃないでしょ。
古嶋:シゲ(佐藤蒼虎)はしっかり話せるようになったよね。公演終わったあとのコメント撮りとかも、メチャクチャ喋れるようになった。
佐藤蒼虎(以下蒼虎):僕、喋りはめっちゃ苦手で……。でも、MCを任されたときにしくじっちゃうのは自分的にも嫌だから、MCの上手いメンバーを見ながら流れとか盗んで真似するようにしたんですよ。
田中:でもMCはまだまだだけど?
一同:(笑)
蒼虎:いや、でも前は何を言っていいかわからなくて、アタフタしているだけだったけど、最近はスベっても何かしら喋り続けられるようになったっていうか。ちゃんと間を埋められるようになったかなと。
NOSUKE:ファンの人もシゲのその感じがわかって、そこがむしろいいみたいな、愛されキャラになってるよね。
ちなみに、蒼虎さんと同じ年少組の中村さんは逆にしっかりしている印象があるかも。
中村碧(以下中村):僕は元々気が利くやつなので。
一同:いやいやいやいや(笑)。
中村:だって、あと片付けとか部屋のドアを閉めに行ったりとか、年下の僕がいつも最初に動いてるでしょ?
佐藤陽(以下陽):でも、やれって言われないと最後までやらない(笑)。
中村:(涼しい顔で)そう?
NOSUKE:そこらへんはやっぱ僕とか、年上組が教えてあげないと。リーダーなんかもうパパですからね。
「パパ」って(笑)。でも確かに田中さんはメンバーといるとすごく大人に見えるし、安心感があります。本当はもっと羽目を外してもいいお年頃なんですけど。
田中:わかってくれます?
中村:この間「甘えたい」って言ってましたよ。
田中:甘えるっていうか(笑)、頼れるのは雄飛とかNOSUKEとか? でもみんな得意分野が違うから、分野ごとにちゃんと頼っているし、そもそも僕はまとめるのが好きなので、全然大丈夫ですよ。
宇原:無理はしないでくださいね。
田中:はい。
素直(笑)。話は変わって新作のEP『What Time Is It?』についてお聞きします。リード曲はこれまでのTJBBとは違うタイプの曲調ですね。
宇原:今回は初めてChaki Zuluさんの曲を歌わせてもらったんですが、楽曲メインというより振りメインというか。曲中の“チッチッチッ”っていう秒針の音に合わせてリズムを取る振りにするため、こういう曲調になったんですよ。振りが先っていうのは初めての試みですけど、TJBBはパフォーマンス重視のグループなのでそういう曲があってもいいかなと。これまでは早くてバチバチな曲ばっかりだったけど、これはアップテンポでもないし、かといってバラードでもないっていう絶妙なラインなんですよね。
古嶋:シリアスな感じ?
宇原:そう、シリアスで不思議な世界観をまとった曲。だから聴いたときは自分たちがやる想像がつかなかったけど、そこはやっぱりChaki Zuluさんなのでヒップホップ要素も入っていて、オシャレだし、遊び心もあって歌う前から楽しみでした。
エイロン:歌っているときも、特にサビの部分は一回聴いただけで病みつきになり、頭の中にずっと流れているぐらい中毒性があるんですよ。歌詞もいろんな解釈ができるような内容になっていて、誰に向かって歌っているのか聴く人によって変わってくる。そういう面は新しいなって思いました。
宇原:テーマは時間なので、ざっくり言うと無駄なことはせず、自分たちの夢をかなえるためだけに時間を使うって内容になっていて。〈君〉の束縛は無視をするし、〈君〉との時間は一瞬だけど、自分の練習には100時間かけるみたいな、そんなふうに時間を有意義に使うよって意味が込められているんです。
田中:〈君〉の解釈は人によって変わると思うけど、要は“誘惑”を擬人化したもの。夢に向かっているとき、いろんな誘惑が邪魔をするけど、それに振り回されようにしようって歌っているんです。
それで〈時間のすぎ方 竜宮城〉って歌詞が出てくると。
古嶋:遊んでいるだけだと、あっという間に時間は過ぎちゃうよってことですよね。
レコーディングで意識したことは?
陽:僕はデモでもらった仮歌どおりにしようと思って、ずっと練習していたんですけど、いざレコーディングになったら、「もっと自分らしく歌っていいよ」って言われまして。碧とテンション感を合わせ、自分らしくラップするようにしました。
中村:僕は最初から自分の個性を出すようにしたんですけど、時間がテーマなのでがっつり声を前に出して歌うより、溜め感を出すようにしました。(作曲した)T.Kuraさんからも「気だるそうにやったほうがカッコいいんじゃない?」ってアドバイスをいただいたので、ちょっとだるそうな感じを意識して、こういう歌い方は新しかったのですごく楽しかったですよ。
古嶋:でも、この曲のグッと引き込む感じは陽というより陰だから、よりスキルが必要になってくる。そこは難しかったです。
石川晃多(以下石川):僕も今まで自分がやったことがないニュアンスだったので、ちょっと苦戦しました。デモに寄せ過ぎてもよくないので、そこに自分の味を織り交ぜながら歌うことを意識して、ブリッジの部分は自分の甘めな声を前面に出すようにしました。やっぱりブリッジは落ちる部分でもあるので、ほかとの違いをはっきり見せたかったんですよね。
宇原:僕は、逆に得意な曲調だったかもしれない。ちょっと力を抜いた気だるい曲のほうが聴くのも歌うのも好きなので、いつもどおりやれました。
皆さん、方向性はそれぞれですけど、キャラクターや声質の違いが掛け算され、グループ全体の魅力を底上げしていますよね。MVの仕上がりも楽しみですけど、どんな映像になっています?
古嶋:いやもう、カッコいいのひと言! 時計とか時間を意識した世界観に合わせて、時間軸が過去と未来で繰り広げられ、衣装とかもガラッと変わるんです。あと鏡張りの部屋で鏡に映った姿を撮ったりとか撮影方法もおもしろくて、映像的にもかなり見応えがある作品になっています。
田中:今回はパフォーマンスの映像も凝っています。進んだり戻ったりする動きで時間を表現した振り付けになっていて、みんなの手が千手観音みたいに広がり、ちょっとずつズレながらカッカッカって小刻みに動いていくんですよ。
映像的なトリックではなく、そういう動きを実際にやっているんですか?
田中:やっています。なかでも秒針の音が入るサビはストロボっていうダンススキルで、コマ送りにカチカチって動くような振りが見どころのひとつ。スムーズに流れたり、ちょっと止まったりしながら時間の歪みや変化を表現していて、前作はCGで映像のおもしろさを表現しましたけど、今回は自分たちのダンスでいろいろな映像を見せているんですよ。
陽:でも、ダンス自体はシンプル。パッと見できそうだけど、クオリティを高めるのは自由っていうか。
一同:は⁇
陽:その、何て言うか……、ピンキリダンス?
ますますわからない(笑)。
桑原:見た目的にはキャッチーで真似できるレベルだけど、いざやると難しい。やる人によってクオリティが変わるって言いたいんだと思います。
陽:そうそう! 突き詰めれば突き詰めるほど難しいよって話です。
宇原:わかります。ヴォーカル組がまさにそれで、やろうと思えばできる動きだけど、パフォーマー組と比べるとダンス的には全然できていないんですよ。
料理でいうとオムレツ的な感じ? 誰でも簡単にできるけど、作る人によって仕上がりのレベルが全然変わってくるっていう。
一同:それです!
陽:めちゃめちゃいい例え。
宇原:陽は核心を突いたことを言ってるんだけど、語彙力だけ足りない(笑)。そこをつけたら最強なんですけどね。
それを瞬時に翻訳できるほかのメンバーも素晴らしいです。
宇原:もう慣れたかも。
田中:陽になって考えると何を言いたいかわかる。
一同:優しい〜。
田中:いや、そこはチーム力です。
NOSUKE:毎日顔を合わせているから、誰が何を考え、何を言いたのかなんとなくわかる。機嫌がいいか悪いかも、めっちゃわかりますよ。
いちばん機嫌が顔に出るのは?
一同:滝? 碧?
陽:NOSUKEくんも結構出るかも。
古嶋:機嫌はみんな顔に出るでしょ。
田中:そうだね。疲れたらみんな顔に出る。特に滝とかは普段は元気でみんなを引っ張ってくれているから、ちょっとでもおとなしいとそれが目立つだけなんです。
宇原:今、リーダーは滝になって考えました。
一同:素晴らしい!(拍手)
では、次にカップリングの「BOYS -TJBB Anthem-」「CITY LIGHT」について。それぞれの注目点を聞かせてください。
エイロン:「CITY LIGHT」は「WEEKEND」に続いて2曲目のバラードなんですけど、サビの部分で新しくチャレンジしたいと思いまして、ヴォーカル3人で歌割を決め、サビも3人で回しています。そうすることで、それぞれの声質、僕なら情熱系、晃多なら哀愁系、雄飛はまっすぐな歌声みたいな、違うドラマをサビの中で表現できていると思うので注目して聴いてほしいです。
中村:この曲に関してはヴォーカルの掛け合いがすごい。3人の声が織り込まれていくように次々と変わっていくから、聴いていて飽きないんです。同時にバラードの世界観にもどんどん引き込まれていくので、僕、「CITY LIGHT」がTJBBのバラードの中でいちばん好きです。って、まだ2曲しかないけど(笑)。
一同:二択!(笑)
桑原:僕はストレートな歌詞も印象的でした。〈恋に落ちよう〉とか〈Kissをしたら〉とかここまで直接的に歌う歌詞ってあんまりないんじゃないかと思って、そのぶん情景描写がすぐ浮かんでスッと入ってきました。
宇原:しかも、これ、ちょっと“駆け落ち感”のある歌詞で、最後の〈このまま離さないForever〉とかは確実にその余韻や描写を映し出している。曲調的にも2番からR&B要素が混ざってガラッと雰囲気が変わるところは2人の未来を暗示している気がして、歌っていていいなと思いました。
中村:この曲は今のところヴォーカル3人のみの楽曲だけど、今後、大きなステージや単独でツアーができたときは、歌に合わせてパフォーマンスをしたい。ヴォーカルの3人がよければですけど……。
宇原:なんで気を使ってんの?(笑) いいに決まってるし。
中村:いや、3人だけで歌いたいとか見せたいとか、あるんじゃないかなって。
宇原:むしろ踊ってほしいよ。
古嶋:パフォーマンスが入ったら、楽曲の印象も変わるしね。
陽:まずヴォーカル3人の歌声を聴かせて、次に僕らが入れば2段階の楽しみがあると思う。
NOSUKE:楽しめるって意味では「BOYS -TJBB Anthem-」も、ファンの人たちと一緒に楽しめる楽曲です。最後のほうで雄飛が歌ったあと、僕らが〈T.J.B.B.〉って追っかけるパートがあるんですけど、ここをファンの人たちに一緒に歌ってほしくて。『JET ENGINE』でも、歌う前に陽がお客さんにレクチャーしているんですけど、本番で一緒に歌うと一体感がすごいんです。特典会でも「『BOYS〜』がいちばん楽しかった」って言っていただけるので、みんなで盛り上がれる曲だと思います。
実際、『JET ENGINE』は各地ですごい盛り上がりを見せていますが、印象的なエピソードはありますか?
中村:札幌がすごかったです。初めてパフォーマンスする地だったので、お客さんが来てくれるのか不安だったんですけど、いざ行ったらTEAM JETZの方やオーディションのころから僕たちを応援してくれた方がたくさん来てくれて。
NOSUKE:激暑だったのにありがたいよね。
中村:それで僕らも安心して自信がつきました。盛り上がりもすごかったので、もっと行ったことがない場所に行ってTEAM JETZの輪を広げていきたいって思いました。
NOSUKE:大阪とか名古屋もすげー盛り上がって、逆にこっちがびっくりするぐらいでした。
中村:特に名古屋は応援の声量がすごかった。
陽:“名古屋県”ね。
“名古屋県”(笑)。陽さんは思いついたまま喋りますね。
古嶋:赤ちゃんなんですよ(笑)。
陽:感性のままです。
NOSUKE:まぁ狙ってるフシはありますが。陽はこう見えて本当はめっちゃ考えているし、いちばん賢いんじゃないですか。
策士というか、油断させて実は……、みたいなラスボス系?
NOSUKE:いや、ラスボスではない(笑)。
陽:途中に出てくる小賢しいボスです。
NOSUKE:しゃらくさい系ですね。
宇原:いい人そうに見えて実はラスボスって、意外性があるのはダントツで彰くんでしょ。
一同:間違いない!(笑)
田中:裏も意外性もないから(笑)。
「いい人そう」じゃなくて、本当にいい人ですからね。
Photography_塩崎亨
Hair&make_竹島健二
Text_若松正子
EP Information
『What Time Is It?』
NOW ON SALE
【商品情報】
① 初回生産限定盤【CD+DVD】AICL-4591〜4592 ¥2,500(税込)
② 通常盤【CD】AICL-4593 ¥1,500(税込)
▼収録内容
[CD] ※全2形態共通
M-1. What Time Is It?
M-2. BOY -TJBB Anthem-
M-3. CITY LIGHT
[DVD] ※初回生産限定盤のみ
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