2024.5.31

剣劇「三國志演技〜孫呉」
松本利夫

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4月5日より明治座にて開幕した剣劇『三國志演技~孫呉』に松本利夫が出演。本作は、『三国志演義』に着想を得て新たに構築されたオリジナル作品。主演を務める荒牧慶彦が企画から携わり、脚本・演出は末原拓馬が担当。三國志の国の一つ“孫呉”を中心にした物語が描かれている。


松本が本作で演じたのは、江東の地で勇猛な武将として知られていた孫堅。腐敗した後漢王朝を倒すために勃発した黄巾の乱によって国が乱れ、孫堅を含め、時の群雄たちはそれぞれの思惑を胸に覇権を争っていた。戦いの中、皇帝の象徴と言われる神秘の宝・玉璽を密かに発見した孫堅は、これぞ天命と士気を高め、劉表(冨田昌則)軍が待つ荊州へと攻め込み、闘神のような強さで敵をなぎ倒していく。しかし、劉表の部下である黄祖(玉城裕規)の罠にかかり、命を落としてしまう。大将軍を失い、悲嘆にくれる孫軍。やがて玉璽を手に、父の夢を受け継ぐことを決意した長男・孫策(梅津瑞樹)は、呉の武将として、幼いころ頃からの親友であり、孫家に仕える武将・周瑜(荒牧慶彦)とともに出陣。その中で孫策は、孫堅の亡霊(悪霊)に惑わされながらも、周瑜たちに支えられ、茨の道を進んでいく。

 「主演のふたり2人がずっと動き回っているので、稽古場からずっと心配だった」と父親役を演じた松本は記者会見で語っていたが、劇中でも息子を心配し、死後も悪霊と化して登場。孫策の心の中に潜み、彼を翻弄する、いびつな親心を好演。動き回るふたり2人とは対照的にどっしりとした佇まいで、武将の貫禄を伺わせた。とはいえ、殺陣のシーンや扇子を使っての舞踊などでは、ずば抜けたダンスの能力を持つ松本ならではの切れの良さも見せた。

舞台は、二部構成にて上演。一部・本編では、“三國志”の壮大な物語を殺陣とアクションで魅せ、二部では、本編では見られなかった組み合わせによる「特別御前試合」と称した、観客を巻き込んで(参加型)のスペシャル殺陣ショーが繰り広げられ、一幕・二幕で異なる側面を披露した。剣劇との名に相応しい素晴らしい殺陣はもちろん、松本や主演のふたり2人のみならず、思わず感情移入してしまうほど、それぞれのキャラクターも魅力的な人物ばかり。1人1人一人ひとりが己の正義を貫きながら戦う姿や、家族や仲間を想い立ち向かっていくひたむきな強さに勇気を与えられた人も多いだろう。 想像をはるかに超えたスペクタルな内容のオンパレードであった約3時間半。視覚、聴覚を終始、刺激し続けるだけでなく、周瑜と孫策の友情や成長をはじめ、各々の関係性や生き様も描かれるなど、物語としても存分に楽しめた、まさに見どころ満載の“エンターテインメント”であった。役者として、ますます演技の幅を見せる松本。本作でまた新たな次元に進んだようだ。

Information


剣劇「三國志演技〜孫呉」Blu-ray


価格_9,800円(税込)
発売日_2024年9月中旬予定
予約期間_2024年5月27日(月)18:00〜7月31日(水)23:59
収録内容_本編映像・特典(荒牧慶彦×梅津瑞樹 & MC富田翔によるオーディオコメンタリー)
予約リンク_https://kengeki-sangokushi-store.com

公式サイト_https://kengeki-sangokushi.com
公式X_@kg_sangokushi
公式ハッシュタグ_#剣劇三國志
主催_剣劇「三國志演技~孫呉」製作委員会