5月10日(金)に公開の映画『不死身ラヴァーズ』に佐藤寛太が出演する。高木ユーナによる同名漫画を原作とした『不死身ラヴァーズ』は、松居大悟監督が10年以上にわたり温め続けてきた渾身のラブストーリー。主人公・長谷川りのの運命の相手役・甲野じゅんを演じる佐藤に映画の魅力や松居監督とのエピソードについて語ってもらった。
友達のお兄ちゃんみたいな、すごく気さくな方です。少年っぽいといいますか、いたずら心にあふれていて親しみやすくて。その一方で作品に対する熱い想いは誰よりもしっかりと持っていらっしゃる方でした。現場のスタッフさんたちも松居さんとゆかりのある方々ということもあり、雰囲気ができ上がっていてすごく居心地がよかったです。本当に和やかな雰囲気が常に充満していました。
そうなんです。このお仕事をしているからには、いつか松居さんの作品に出演したくてダメ元で連絡したので、返事が来たときはすごくテンションが上がりました。あと、連絡を取り合っている最中に「(佐藤さんの過去の出演作で)見てほしい作品はある?」と逆に聞かれて、教えたらそれに対する感想も「良かったですよ」と送ってくださって、ちゃんと自分のお芝居を見て今作への出演を決めてくれたということも含めてうれしかったです。
原作のコミックを読んでいたので、自分が描いていたイメージとあまり違和感はありませんでした。でも、何も知らずに台本だけを読んでいたら想像できていなかったかもしれません。原作を知っていたので、「きっとこのシーンは、こういうテイストになるんだろうな」とか、いろいろ考えることはできました。ただそれでも、現場ではわからないことが多かったです。当たり前ですが、台本を読んだときの印象と映画が完成したときの作品に対する印象はだいぶ違いました。そういう意味では、台本だけでは想像できなかったシーンも現場に行くと納得できることが多かったです。
ピンポイントでここがわからないというより、シーン全体の大枠で自分の中では「お芝居のプランはなんとなく決まっているけど大丈夫かな」というシーンがいくつかありました。表現方法は無限にあるわけで、僕が演じた甲野じゅんのキャラクターと自分の芝居がかけ離れていないかとか、そういう不安はありましたが、松居さんからのアドバイスは特にありませんでした。でも、今回の相手役である長谷部りのを演じた見上(愛)さんとは、ふたりで話していたみたいです。そこはおそらく監督が演出を分けていたのかなと思います。
僕の中では、自分が選ばなかったもうひとりの自分の人生を生きているというか、マルチバースみたいな感覚でした。でも、中学時代から始まって高校、大学生のじゅんもいて、その時代ごとにじゅんを演じなければいけないことに、クランクインする前はナーバスになっていましたが、実際に現場に入ってみたら「どれも甲野じゅんなんだよな」と思えるようになりました。どれもひとりの人間なんだよなと。
王道のラブストーリーだと思いますが、そこに松居さんらしいトリッキーなファンタジーワールドが描かれていて、登場するキャラクターの惨めな部分や恋愛の陰の部分もしっかりと描かれているなって。これは、はち切れているようなパワーが長谷部さんにあるから、自分も長谷部さんに共感できる部分がたくさんありましたし、映画館からでしかもらえないエネルギーが出ている作品だと思います。心を揺さぶられたのと同時に、恋愛ってこんな感じだったなって改めて感じました。
作品のキャッチコピーで「“好き”は無敵。」とあるのですが、人を好きになったときとか、何かに恋をしているとき、それが漫画であれアニメであれ、何かに自分が恋をしている、没頭しているときって生きがいになるじゃないですか。毎日がキラキラして生命力に満ちあふれていて、それ以外のことはすべて目に入らない無双状態といいますか。ただそういう恋愛のいい部分だけでなく、闇の部分もしっかりと描かれているのが本作の魅力だと思います。人が恋をしているときのエネルギーを感じられる作品なので、そのエネルギーを吸収して元気になってもらいたいです。
MOVIE information
『不死身ラヴァーズ』
5月10日(金)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督/松居大悟
原作/高木ユーナ「不死身ラヴァーズ」(講談社「別冊少年マガジン」所載)
脚本/大野敏哉、松居大悟
配給/ポニーキャニオン
製作プロダクション/ダブ
出演/見上愛、佐藤寛太、落合モトキ、大関れいか、平井珠生、米良まさひろ、本折最強さとし、岩本晟夢、アダム、青木柚、前田敦子、神野三鈴
photography_河合克成(株式会社125)
text_オオサワ系
松居大悟監督は、多くのヒット作を手がけてきた映画界を代表する監督のひとりですが、どんな方ですか?
友達のお兄ちゃんみたいな、すごく気さくな方です。少年っぽいといいますか、いたずら心にあふれていて親しみやすくて。その一方で作品に対する熱い想いは誰よりもしっかりと持っていらっしゃる方でした。現場のスタッフさんたちも松居さんとゆかりのある方々ということもあり、雰囲気ができ上がっていてすごく居心地がよかったです。本当に和やかな雰囲気が常に充満していました。
本作への出演のきっかけは、佐藤さん自ら監督にインスタを介してメッセージを送ったことから実現したとお聞きしました。
そうなんです。このお仕事をしているからには、いつか松居さんの作品に出演したくてダメ元で連絡したので、返事が来たときはすごくテンションが上がりました。あと、連絡を取り合っている最中に「(佐藤さんの過去の出演作で)見てほしい作品はある?」と逆に聞かれて、教えたらそれに対する感想も「良かったですよ」と送ってくださって、ちゃんと自分のお芝居を見て今作への出演を決めてくれたということも含めてうれしかったです。
実際に台本を読んで感じたことはどんなことですか?
原作のコミックを読んでいたので、自分が描いていたイメージとあまり違和感はありませんでした。でも、何も知らずに台本だけを読んでいたら想像できていなかったかもしれません。原作を知っていたので、「きっとこのシーンは、こういうテイストになるんだろうな」とか、いろいろ考えることはできました。ただそれでも、現場ではわからないことが多かったです。当たり前ですが、台本を読んだときの印象と映画が完成したときの作品に対する印象はだいぶ違いました。そういう意味では、台本だけでは想像できなかったシーンも現場に行くと納得できることが多かったです。
理解できない部分はその場で質問をしたのですか?
ピンポイントでここがわからないというより、シーン全体の大枠で自分の中では「お芝居のプランはなんとなく決まっているけど大丈夫かな」というシーンがいくつかありました。表現方法は無限にあるわけで、僕が演じた甲野じゅんのキャラクターと自分の芝居がかけ離れていないかとか、そういう不安はありましたが、松居さんからのアドバイスは特にありませんでした。でも、今回の相手役である長谷部りのを演じた見上(愛)さんとは、ふたりで話していたみたいです。そこはおそらく監督が演出を分けていたのかなと思います。
「甲野じゅんは長谷部りのと両想いになった瞬間、現世からこつぜんと姿を消す。ふたりは人生の中で何度も出会い、その都度りのは『好き』と告白して両想いになり、じゅんが消えるという出来事を繰り返す」というストーリーですが、別の時代を生きているとはいえ、同じ“じゅん”を何度も演じることはかなり難しかったのではないですか?
僕の中では、自分が選ばなかったもうひとりの自分の人生を生きているというか、マルチバースみたいな感覚でした。でも、中学時代から始まって高校、大学生のじゅんもいて、その時代ごとにじゅんを演じなければいけないことに、クランクインする前はナーバスになっていましたが、実際に現場に入ってみたら「どれも甲野じゅんなんだよな」と思えるようになりました。どれもひとりの人間なんだよなと。
改めて、完成した作品を観ての感想をお聞かせください。
王道のラブストーリーだと思いますが、そこに松居さんらしいトリッキーなファンタジーワールドが描かれていて、登場するキャラクターの惨めな部分や恋愛の陰の部分もしっかりと描かれているなって。これは、はち切れているようなパワーが長谷部さんにあるから、自分も長谷部さんに共感できる部分がたくさんありましたし、映画館からでしかもらえないエネルギーが出ている作品だと思います。心を揺さぶられたのと同時に、恋愛ってこんな感じだったなって改めて感じました。
作品を通じて感じてほしいことはどんなことですか?
作品のキャッチコピーで「“好き”は無敵。」とあるのですが、人を好きになったときとか、何かに恋をしているとき、それが漫画であれアニメであれ、何かに自分が恋をしている、没頭しているときって生きがいになるじゃないですか。毎日がキラキラして生命力に満ちあふれていて、それ以外のことはすべて目に入らない無双状態といいますか。ただそういう恋愛のいい部分だけでなく、闇の部分もしっかりと描かれているのが本作の魅力だと思います。人が恋をしているときのエネルギーを感じられる作品なので、そのエネルギーを吸収して元気になってもらいたいです。
MOVIE information
『不死身ラヴァーズ』
5月10日(金)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督/松居大悟
原作/高木ユーナ「不死身ラヴァーズ」(講談社「別冊少年マガジン」所載)
脚本/大野敏哉、松居大悟
配給/ポニーキャニオン
製作プロダクション/ダブ
出演/見上愛、佐藤寛太、落合モトキ、大関れいか、平井珠生、米良まさひろ、本折最強さとし、岩本晟夢、アダム、青木柚、前田敦子、神野三鈴
photography_河合克成(株式会社125)
text_オオサワ系
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