2024.4.17

雨予報
Leola

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4月17日(水)にデジタルシングル「雨予報」をリリースしたLeola。今作は“もう少しやれるはず”と女性の儚さや強さ、美しさを歌った生々しいほどの歌詞が勇気をくれる楽曲となっている。作詞・作曲を手がけた彼女に今作に込めた想いや楽曲制作についてなどをたっぷりと語ってもらった。


3月に開催された『-LeoShiz-YOYOMI』など、さまざまなイベントに出演されていますが、改めて最近の活動を振り返っての想いをお聞かせください。


最近は対バンのイベントとかにも出演させてもらっているのですが、昨年ぐらいからようやくコロナの影響が緩和されてきて、ライヴ数も増えて、少しずつ「戻っていこう」という流れを感じます。コロナ禍で会えなかったファンの方も何年かぶりに来てくださって、こっちも「久しぶり!」ってちょっとウルッときちゃったりとか、そういう“再会の感動”みたいな場面も本当に増えています。

コロナ禍は、もちろんなかったほうがいいんですけど、それがなかったら味わえなかった想いかもしれないですね。


そうですね。ファンの方をより大切に思えるようになったのは、会えなかった期間があったからこそ。皆さんも同じように感じてくれていたらうれしいです。

そんななか、デジタルシングル「雨予報」がリリースされました。今作は言葉がストレートというか、むき出しの気持ちが綴られていてちょっとドキッとしました。


この曲のデモは2年前ぐらいからあったのですが、昨年の頭にLDH Recordsに移籍してから、第一弾シングルをどうしようかという話をスタッフさんとずっとしていました。結果的に第一弾はNESMITHさんとのコラボ楽曲(「ただいまfeat. EXILE NESMITH」)になったんですが、そこを経て、自分だけの声で作るとなったとき、どうしようかなと。というのも、この曲は元々歌詞に関しては、今までの自分の書き方に近いというか、伝えたいことは一緒だけどオブラートに包んでいて、もう少しカッコつけた感じだったんです。でも、環境も変わりリスタートするなかで、どういう活動をしていくか、何を歌っていくかを考えたとき、もっと生身に近い部分を出していきたいと思いました。これまではいつも笑っていたいし、前向きな姿を見せたい、それが私の良さだと感じていたんですけど、今回は自分の気持ちをもう一回ちゃんと聴いてほしいと思ったんです。だから、チャレンジのつもりで何回も書き直して、ちょっと素直すぎるぐらいの内容になっていますけど、隠したい部分をさらけ出した歌詞になりました。

「何回も書き直した」というのはどのあたりですか?


言葉の表現です。私はどうしても直接的な表現よりは、ちょっと詩的に変えてしまうクセがあるんです。だけど今回はできるだけリアルにしたかったので、自分から自然に出てきた言葉をピュアに書き換えていきました。どんどん透明にしていったような感覚があります。

自分の殻を脱ぎ捨てていくような。


本当にそういう感じです。〈飾って咲いて 傷ついて歩いていく〉というサビの歌詞があるのですが、誰もがカッコ悪い部分や芯にある不安を人に見せたくない。だから飾ったりメイクしたり、自分を纏って作っているけど、それを剥いでいって「本当はこんな気持ちで過ごしている」ということを、この歌詞で言いたかったんです。

〈泣いてる私なんて 綺麗じゃないから フィルターなしじゃこれが正体〉というところも、刺さります。この時代ならではの切実な歌詞です。


今は写真だけじゃなく、動画だって加工するのが当たり前ですからね。私もSNSは利用しているけれど、やっぱりきれいな部分ばかり見せてしまう。家で「疲れたな〜」って休んでるときの自分とか、Instagramに載せられるかといったら、いや、たぶん無理です(笑)。でもこの曲を書いてから、飾らない自分になりたいというマインドに変わってきたというか。たぶん、その前からカッコつけてる自分に、ちょっと疲れていたんです。それが現れたのが、コロナ禍に始めた動画配信で上げているキャンプ動画とかで、一泊して朝起きたらすっぴんじゃないですか。でも「ま、いいか」ってそのまま出したんです(笑)。それを見てもまだ応援してくれる人がいるなら、無理にカッコつける必要はないなって思うようになりました。そのせいか、ステージでも今まではいつも元気で明るい自分でいなきゃと頑張っていたけど、ちょっと変わってきて。その日の気分で歌う曲を変えたり、今日はちょっとしっとり終わってみようかなとか、MCも普段どおりの感じのしゃべり方で出られるようになってきたんです。


“すっぴんで普段のまま”のLeolaさんを見られたら、ファンはうれしいと思いますよ。


そうですか?(笑) むくんでパンパンの顔とか、やっぱり見られたら恥ずかしいですよ(笑)。でもそれでもいいやって、この2年ぐらいで思えるようになってきました。

いい意味で開き直りました?


それはあるかもしれないです。そうなれたのは、みんなに好かれなくてもいい、自分を好きって思ってくれる方だけを大事にできたらいいって考えるようになったからだと思います。頑張って自分を取り繕って、その姿を好きって言われたとしても、ふとした瞬間に人の本性って見えちゃうので。最初から頑張りすぎないで、普段のコミュニケーションもありのままでいいのかなって。そうやってある意味、開き直れるようになったのは、年を重ねたということもあるのかもしれないです。

年齢と、あとは経験値ですよね。曲の話に戻りますが「雨予報」というタイトルはすぐ決まったんですか?


タイトルはメチャクチャ悩みまして、最後まで決まらなかったんです。何がいいんだろう? って、みんなで話し合って、候補もいろいろ出しつつ、どれもあまりしっくりこなくて。結局、レコーディングの日に決まりました。

歌いながら、パッと閃いた?


いや、そのときも何だろう……って考えていて。テーマは雨だし、歌詞にも雨がいっぱい出てくるから、それにまつわる言葉を探していたんです。あれこれ考えて「雨予報?」みたいな。1番に〈窓を打つ雨は今も止まない予報〉って歌詞があるから、そこにフォーカスした感じで、もう本当に振り絞って振り絞って出てきたタイトルですけど、結果的にすごくしっくりきています。

“予報”だから、これからどうなるかわからない。想像を掻き立てるタイトルですよね。レコーディングはどんなことを意識しながら歌いましたか?


力まないことです。この曲って曲調的にも暗いし、歌詞も辛辣なことを書いているので、あまり力んで歌うとパワーソングみたいになってしまうんです。それはデモの段階から感じていたので、とにかく尖らないように、パワーでいかないようにしたいなと。最後の〈私はそうやって生きてる〉はパワフルになってもいいけど、1番2番はキツく聴こえない歌い方を意識しました。

先ほど歌詞を書くとき「どんどん透明にしていった」とおっしゃっていましたが、歌声も削ぎ落とされて雑味がないというか。子どもの歌声のような無垢な印象も受けました。


特にAメロとかは音数を少なくしているので、本来の声の芯みたいなものが出たのかも。歌声がわかりやすく伝わるアレンジになっているんです。


その結果、Leolaさんの「本来の声の芯」、ちょっと中性的で透き通った魅力が強調されている気がします。


ありがとうございます。私はどうしてもパワーで押してしまいがちなのですが、今回は押すだけじゃなく「耳に痛くない」ってところを意識したのが良かったのかもしれないです。

ちなみに、雨の日の過ごし方やルーティンはありますか?


雨の日はお休みだったら、家を出なくていいやってなるタイプです。晴れていると外に出て思いっきり遊びたくなるけど、雨の日はずっと家にいて映画をいっぱい観たり、歌詞を書き足したりとか、ひとりで過ごすことが多いです。そういうインプットの時間も必要だから、朝、雨だと起きてどんよりしちゃうよりは「雨か。だったら、これをやろう」と考えるタイプ。なので雨は嫌いじゃないです。

だから、今作のような曲が生まれたんですね。話は変わって、デビュー日である4月27日には『Leola 8th Anniversary Live「Chase The Sun」』が行われます。ワンマンは約4年半ぶりになるんですね。


一昨年、コンセプトライヴっぽい、ディナーショーのようなものは行わせてもらったのですが、ライヴハウスでやるワンマンは、コロナ前が最後だったので本当に久しぶり。だからもう久々すぎて、すごくワクワクして「最高に楽しみ!」ってなるときと「大丈夫かな」って心配になるときがあって、常に不安定みたいな(笑)。そもそも、ライヴをやらせてもらえることがありがたいし、やるからには誰が観ても良かったって喜んでもらえる時間にしたい。でも、お客さんが来てくれるかなって不安もあって……。楽しみな気持ちがいちばん強いですけど、日々揺れ動いています。

ポジティブとネガティブがまだらになってる感じ、わかります(笑)。ライヴは2部構成になっているそうですが、どんな見せ方になるんですか?


昼の公演はひとりで弾き語り、夜はバンドを入れてやる予定です。最初にスタッフさんから「2部公演でやりましょう」と提案されて、だったら同じものをセットリストだけ少し変えて観てもらうよりは、ガラッと変えたいなと。もしかしたら昼も夜も観たいって言ってくれる方もいるかもしれないし、そういう方たちが「またこれか」とならないようにしたいと思ったんです。あと今回のワンマンにいたるまで、修行のつもりで弾き語りのイベントにひとりで出演させてもらっていまして。その集大成じゃないけど、自分自身がどこまでできるのか試してみたかったんです。なので、昼は弾き語りライヴ、夜は私の大好きなバンドマンたちを呼んで、みんなに委ね、パーティ気分でやろうかなと思っています。

バンドが入るライヴと違って、ギター1本の弾き語りは自分しかいませんから、ひとりで戦うみたいな。「試合」のような感覚ってありますか?


それこそ隠せないというか、全部見られちゃいますからね。「怖い」っていう気持ちがまだ強くて「これでいいのかな」って心配になっちゃいます。でもそのときの自分のフィーリングで弾き方や歌い方を変えたり、何なら曲も変えられるってところは弾き語りの強み。自分でデザインできるのが楽しいって思う瞬間がたくさんあるし、歌声のいちばんいいところをしっかり聴いてもらえるので、そういった意味では弾き語りってすごく魅力的なんです。


やりがいもありますね。


本当にそうですし、まったく同じライヴは絶対にできない。もちろんバンドがいても、二度と同じものはできないんですけど、やっぱりチーム作業なので予定調和の部分はあったりするから、そう考えると弾き語りはより“生感”というか。生々しさがあって、だからこそ楽しみであると同時に不安もあるんですよね。

現在の心境を100%として、楽しみと不安の割合は何%ぐらいですか?


え〜、50:50って感じです。しかも、どっちも強くて、すごくワクワクしているけど、すごく心配みたいな(笑)。でも、どっちの気持ちも楽しんでいきたいです。

新曲がリリースされ、ワンマンライヴも控えていますが、今、いちばんかなえたい夢は?


私の中では「雨予報」を皮切りに、コロナ前の活動に戻していきたいと思っていて。難しいだろうけど、もうちょっと頻繁に新しい曲を発信し、その時々の自分のフィーリングみたいなものをちゃんとお見せできるような活動をしていきたいです。もちろんドン! って大きな夢、大きな会場でライヴをしたいという夢もあるけれど、まずはコツコツできることやってしっかり土台を固めていきたい。そのために今年はリリースをコンスタントにやっていきたいし、ライヴも今回は東京の1ヵ所だけですけど、ここで「良かった」という声をたくさんいただけたら、次は全国にいけるかもしれないと思っていて。まだまだ行けていない地域もたくさんあるので、そういうところに顔を出して、みんなに「元気だった?」って言えるようなツアーをやるのが直近の目標です。

再会したら、またウルッと来ちゃいそうですね。


会っていない間、私もそうだけどファンの方も心境や環境が変わっていると思うんです。そんな経験や時間を経た私たちが再会したとき、どういうパワーが生まれるのか。それはすごく楽しみなので本当に会いたいです、皆さんに。

「雨予報」は再会の挨拶じゃないけど、リスタートの一歩目になる曲ですが、改めてどんな風に届いてほしいですか?


この曲は「頑張ろう」「希望がある」とはひと言も言ってなくて、「みんな、実はこんな気持ちで頑張ってない?」って言っている曲なんです。悩んでいるときって周りはみんな幸せそうなのに、「何で自分だけこんなに辛くて苦しいんだろう」って、自分を孤独に追い込んだりするじゃないですか。私自身、この曲を書いているときすごく苦しくて、SNSで呟きたくなっちゃうこともあったけど、カッコ悪いな、人を不快にさせるなって思ってやめたんです。でも、みんなも本当は気持ちを吐露したいのに我慢して、ひとりで苦しんでいるんじゃないかなと。そう思って、ありきたりですけど「ひとりじゃないよ」「みんなそうやって生きているんだよ」って想いを歌詞にしたのが「雨予報」です。なので、表向きキラキラしている人だって、苦しんだり怒ったりする中で生きているんだということをこの曲を聴いて知ってもらえたら。そして最後に、もうちょっと頑張ってみようかなって思ってもらえたらうれしいです。

この曲は頑張れって引っ張るのでなく、寄り添ってくれる曲。本当に辛いとき、救われるのはこういう歌だったりします。


そんな立ち位置の曲になれたらいいなと思います。



Digital Single
「雨予報」
配信中


▼STREAMING & DOWNLOAD
https://ldh.lnk.to/Ameyohou

LIVE information
『Leola 8th Anniversary Live 「Chase The Sun」』

4/27(土) ADRIFT(東京)
第1部 開場14:30 / 開演15:00
第2部 開場19:00 / 開演19:30
【出演】
Leola
Gt.:Kensuke Takahashi(Qnel)
Ba.:まきやまはる菜
Dr.:山下賢(Mop of Head)
Key.:藤本藍

▼一般チケットの申込は下記URLからご覧ください
【ローチケ】
https://l-tike.com/order/?gLcode=75814&gPfKey=20240216000001629962%2C20240216000001629961&gEntryMthd=01&gScheduleNo=1&gCarrierCd=01&gPfName=%EF%BC%AC%EF%BD%85%EF%BD%8F%EF%BD%8C%EF%BD%81&gBaseVenueCd=33558

【tiketbook】
https://e-ticketbook.com/leola-24/2402-tb/

photography_河合克成(株式会社125)
styling_曽我一平
hair&make_藤原早代(CONTINUE)
text_若松正子

【衣装クレジット】
《Ungrid》のノースリーブブラウス¥8,800、ラップパンツ¥15,400(ともにUngrid)
その他・本人またはスタイリスト私物

【お問い合わせ先】
Ungrid
03-5447-6531