2026.2.5

THE FUSION
ØMI

  • 三代目 J SOUL BROTHERS FC対象
  • 一部フリー
ØMIがEP『THE FUSION』をリリースした。前作『ANSWER...』から約4年ぶりとなる今作は、2024年6月に始動したプロジェクト「THE FUSION」の集大成。ラップがアクセントの新感覚かつ中毒性のあるミステリアスなヒップホップチューン「Purple Pill feat. SKY-HI」、ファンクビートを感じさせるラグジュアリーさ際立つポップス「Feel Gold feat. 山下智久」、繊細で温かみのある優しいバラード「To be feat. 三浦大知」に加え、新曲も収録。個性豊かな楽曲が揃った一枚が完成した。インタビューでは、作品に込めた想いや楽曲制作秘話、さらに公開されたばかりのMusic Videoについてもたっぷりと語ってもらった。


EP『THE FUSION』がリリースされました。前作から約4年ぶりとなる今作ですが、今の率直なお気持ちを伺えますか?



4年かぁ……。そんなに空いていたんだな、というのがまず正直な感想ですね。ただソロの活動に関しては“やりたいと思ったらやる”というスタンスでずっといて。別にこの4年、やりたくなかったわけではないんです(笑)。でも、現実的にはグループの活動などでスケジュール的になかなか実行に移せなかったというのが大きくて。それに、前作の3rd Album『ANSWER...』で、自分の中ではひとつ区切りがついた感覚もあって。ツアーやアルバムの流れが無事に終わったあと、そこからまた新しいものを作って動き出すには、何かしらのきっかけが必要だなと、その時点でも感じていて。忙しく活動させてもらうなかで、気付けば自分のキャリアもかなり長くなっていましたし、今回『THE FUSION』でご一緒した方たちのように、おもしろいことができる人たちが自然と周りに集まっている環境にもなっていて。商業的な意味合いというよりも、もっとシンプルに“好きな人と、好きなものを、好きな音楽としてやりたい”という制作意欲が湧いてきたんです。そして、それを形にするために「THE FUSION」プロジェクトを立ち上げ、実際に制作をしていくなかで、結果としてコラボレーション楽曲3曲に加えてリード曲とエンディング曲を含めたEPという形にまとまりました。実質的には4年ぶりのソロ作品になりますが、自分の感覚としてはそんなに時間が空いたというよりも、心が動くままにやりたいことをやらせてもらったら4年という時間がかかった、という感じですね。

今の時代性も含めて、何より今のØMIさんだからこそ、この期間もそうですけど、やりたいことができた作品になったと。



そうですね。こういう形でやらせていただけるのは贅沢といいますか、ある種、今まで頑張ってきたご褒美なのかなと思っています。

では、1曲目「THE FUSION」について。制作にあたって構想していたことなどを教えてください。



このEPのタイトル曲として、まずは“「THE FUSION」というプロジェクトがどんなものなのか”を表現しよう、というところから制作が始まりました。ちょうど幕張メッセでのライヴも控えていたので、ライヴをイメージしたときにオープニングを飾るうえでもとにかく壮大なトラックが必要だなと思っていましたし、そこを駆け抜けていくような強いメロディも欠かせないなと感じていて。そのイメージを軸に制作陣と密に話し合いながら、「こういうトラックがいい」「この音をもっと強くしてほしい」「キックはこうしてほしい」といった細かい部分までやりとりを重ねて、曲の幅をどんどん広げていきました。今はヒップホップも含めて、音数を削っていくのが主流な時代だと思うんですけど、それに逆行するといいますか(笑)。今回はそういったトレンドを意識するというよりも、シンプルに自分の頭の中にある壮大さや強さを表現したい、という気持ちが強くて。制作陣ともそのイメージを共有しながら進めていきました。

歌詞に関してはいかがですか?



なんでこのプロジェクトができたのか、なんで今これができているのか、という部分をここでしっかり説明する歌詞を書きたいなと思ったんです。実行に移せている背景には、自分がこれまで積み重ねてきたキャリアがあって、さっきご褒美という言い方もしましたけど、自分にとっての財産となるもの、簡単に言ってしまえば、地位や名誉みたいなものを築いてきたからこそ、こうして仲間たちと音楽ができているんだな、と。そういう“ボーダーを超える”“ボーダーをなくす”みたいなボーダーレスな感覚を、少しヒップホップ的な表現で、“自分をフレックスする”というイメージで曲を作りたいと思い、新進気鋭のクリエイターのふたりにオーダーしました。

ご自身で描くのではなく、あえて委ねられたと?



自分で書いても良かったんですけど、この「THE FUSION」というプロジェクト自体、プレイヤー同士のコラボレーションであると同時に、裏テーマとして、“クリエイターたちともTHE FUSIONする”という。そんな感覚があったので、この曲ではYUKI(D)くんとLOARくんという若い世代のふたりにメロディと歌詞を託しました。彼らは実は中学生のころに僕らのライヴを観に来てくれて、僕らに憧れてEXPGに通っていたふたり。そこから作家としての道に進んで、いろんなアーティストに曲を書いているという話をスタッフから聞いていたので、ちょっと上から目線になっちゃうかもしれないですけど、一度一緒にやってみたいなと思ってふたりにお願いしたんです。

このストーリーはエモいですね。



「まさかØMIさんに曲を書く日が来るなんて思ってなかったです」とレコーディングや制作現場で言ってくれてうれしかったですね。今いろんなトライを続けている世代の感覚って、僕はすごく大事だなと思っていて。トラックメイカーも含めて、そういう世代の子たちと一緒にできるのは、この「THE FUSION」という場所だからこそだなと感じています。

またMusic Video(以下MV)も公開されましたが、MVのコンセプトや撮影中のエピソードなどを教えてください。



もともとMVを撮る予定はなかったんです。でも、曲が実際にできてみて、「THE FUSION」というプロジェクトの説明にあたる曲ですし、映像があってもいいんじゃないかなと思い、急遽撮ることにしました。しかも、今回MVを撮ってくださった映像クリエイターの方も、先ほどお話ししたふたりと同じように、ありがたいことに昨年10月のスタジアム公演にも個人的に足を運んでくれるくらい、ずっと僕たちを見てきてくれた世代で。以前、アーティスト業以外のお仕事でご一緒したときに、彼の作る世界観がすごく好きだなと感じて。制作の裏側としては、そうしたご縁もあってぜひMVも撮ってほしいと、今回初めてオファーさせてもらったんです。最初は「えっ、MVをですか!?」と驚かれましたが、撮るとしたらこういう感じ、というイメージは自分の中であったので、リファレンスになる映像や雑誌の切り抜きなどを見せながらイメージを共有させてもらいました。そもそも曲自体のパワーがかなり強いですし、歌詞も自分をフレックスするような内容なので、それをどうすればシンプルにカッコよく表現できるかを考えた結果、派手に踊ったり、演出を重ねたりするというよりは、どっしりと自分が鎮座しているようなワンシチュエーションで、あまり装飾を足さず、空間(暗闇)の中に自分が立つことでどれだけ存在感を出せるか。スポットライトの下に自分がいるだけでこの曲が鳴れば成立する、というイメージを大事に撮影しました。シンプルではあるんですけど、いい意味でヒップホップ的なフレックスも感じられる映像になっていますし、空間づくりや色づけも含めて、映像クリエイターやスタッフの皆さんと一緒に作り上げた。そういう意味では、映像面でも新たな試みができたと思います。

シンプルな映像って実はいちばん難しかったりしますよね。クリエイターの方は初のMVの撮影にプラスして、自分の腕が試されるという意味でも相当なプレッシャーがおありだったのでは?



本当そうだと思います。ほぼほぼカット割もない中で、とにかくシンプルにカッコよくという……自分でも難しいことをオーダーしているなと思いました。でも、基本的に一度こういうイメージでと伝えたら、あとはお任せするので。自分から変えてほしいというのはほとんどないですね。

委ねられるのは、絶対的な信頼があると同時に、ØMI さんの相手の方への敬意の表れといいますか。しかも、今回だけでなく、常にそのスタンスですよね。



やっぱりその道のプロに頼んだら間違いないじゃないですか。もちろん自分がベストだと思うものはありますし、自分がカッコいいと思うのは何かは自分がいちばんわかっているけど、それだと毎回同じ絵になってしまうので。逆にそのクリエイターが思う俺のカッコいいところを知りたいし、知れるいい機会だなと思うんです。たとえば、お寿司屋さんに「パスタの要素も入れてください」みたいな畑違いのことを言うよりも、「最高のお寿司をお願いします」と委ねたほうが、絶対においしいものが仕上がると思うんです。クリエイターもみんな職人なので、自分がその人を指名して一緒にやるのであれば、その人の感覚や手腕に任せるべきだと思っていますし、逆に「一緒にやりましょう」と提案してくれたときには、意見をぶつけ合いながら、より良いものを作っていくべきだなと。そういう感覚が自分の中に根付いたのは、ソロデビュー当初にAfrojackと一緒に曲作りをしていた経験が大きくて。彼の作るビートにどんなものを乗せるかという部分で、いい意味で料理してもらう感覚がありましたし、委ねることでここまで音が仕上がっていくんだというのを体感させてもらいました。振り返ってみると、ソロデビュー当時から「THE FUSION」という言葉を掲げていたわけではないですけど、SUGAくんに「You (Prod. SUGA of BTS)」をプロデュースしてもらったときも彼にすべて委ねていましたし。そう考えると、自分はずっとそういうやり方をしてきたんだなと思いますし、今回の作品やライヴ『ØMI LIVE 2026 ~INFINITY MOON~』3日目の「FINAL NIGHT ~THE FUSION~」は、そういった積み重ねのひとつの総決算でもあるなと感じています。

何よりØMIというぶれない軸があるからこそ、いろんな人が関わってもおいしく味付けされて、どんどん芳醇な味わいになっていくという。ØMIさんは人間的に包容力や共感力がすごくある方だと感じますし、だからこそ「THE FUSION」が成立するのかなと思うのですが、それは三代目 J SOUL BROTHERSというグループで培われた部分もあると思いますか?



親もわりとそんな感じだったりするので血なのかな、という感覚もありますし、それに加えてグループでの経験が確実に活きているのも事実だと思います。あとは、いい意味でも悪い意味でも、いろんな例をたくさん見て学ばせてもらいましたね。この世界って、傍から見ていて「なんでこうしちゃうんだろう」とか、「もう少しこうしたほうがいいんじゃないかな」と思う場面が本当に多くて。そういう姿を見ながら「自分はこうしないほうがいいな」とか、「これは自分には合わないな」という判断を自然とするようになった気がします。もちろん、それで成功している人もいると思うんですけど、「自分には向かないな」とか、逆に「こういうやり方はいいな」と思うこともあって。いろんな人を観察して、自分の中で仕分けをしていくというか、その中で自分なりのやり方を見つけてきた、という感じですね。

お話ししていると、すごく穏やかな印象がありますし、そういう意味では5曲目の「LASTING FOREVER」は、ØMIさんの穏やかさや包容力が表れた楽曲なのかなと感じました。こちらはどんな想いで制作された楽曲なのでしょうか。



「LASTING FOREVER」は、『iCON Z』などこれまでいろんな形で仕事をしてきた女性プロデューサー&作曲家のALYSAに作ってもらった曲で。何百曲というストックの中から「ØMIさんに合いそうな曲を何十曲か送りますね」と言って、プレイリストをまとめて送ってくれたことがあったんです。ひと通り聴かせてもらって、その中で気になった曲にブックマークを付けて、「どこかのタイミングでやりたいな」と思いながらも、気付いたら何年も時間が経っていて……。ちょうど三代目の15周年というタイミングも重なって、自分たちのキャリアやこの先どういう人生を歩んでいくのかメンバーともよく話すなかで、活動していくうえでのコンセプトやテーマをちゃんと持っていたほうがいいなと思ったときに、“FOREVER”という言葉が今の三代目にぴったりだと感じて。昨年のスタジアム公演のタイトルに『JSB FOREVER ~ONE~』、さらに先日発表させてもらったドームツアーにも『JSB LAND ~FOREVER~』というサブタイトルを付けたのですが、 “FOREVER”いう言葉は、すごく抽象的でいろんな捉え方ができると思うんです。今までやってきたことを永遠にしたい、という意味にも取れるし、この絆は未来に向かっても永遠だよ、というメッセージにもなる。逆に、過去に積み重ねてきた功績や歩みが永遠だ、という意味でも使える。過去にも未来にもおける言葉だなと思って。そんな流れの中で、ふとALYSAからもらった曲の中に“FOREVER”にハマる曲があった気がするなと思い出して。プレイリストを改めて聴き直したら、これだ! と。「LASTING FOREVER」が自分の中でしっくりきたんです。“FOREVER”は三代目のキーワードでもあるけれど、同時に三代目の活動はそのまま自分のキャリアでもあり、自分自身のアーティスト人生そのものにも当てはまる言葉だなとも思い、「LASTING FOREVER」というタイトルにしました。今回EPを作るなかで、リード曲の「THE FUSION」は“ステージに立っている自分”、生き様を強くフレックスした象徴的な曲にしたいと思ったその一方で、EPのエンディングに置いている「LASTING FOREVER」は“ステージを降りた自分”、仕事のスイッチが入っている自分とは違う、ひとりの人間としての気持ち、普通の人間として心の中で願っている言葉を形にした曲になりました。

人間ØMIがだだ洩れですね。だからこそ、深く響くといいますか。



でもこの曲は、誰にでも当てはまるというより、ある意味ではファンの方にしか向けていない曲なんです。そもそも「THE FUSION」という作品全体が、自分がやりたいこと、好きな歌を好きな人と作って、それを好きな人に向けて歌いたい、というところから始まっているので。そう考えると、“自分の好きな人に向けて歌いたい”という対象は、自然とファンの方になるので、単純にライヴの景色だったり、MATEに対するメッセージとして歌っている、という感覚が強いですね。

ところで、フィーチャリングされたSKY-HIさん、山下智久さん、三浦大知さんとは、楽曲リリース後に反響について話したり、何かやりとりはありましたか?



具体的に「反響がこうだったね」みたいな話をしたわけではないんですけど、先日ラジオに出てもらったこともあって、山下くんとはいろいろ話をしましたね。そのときに僕が山下くんに伝えたのは、参加してくれた3人の中で、SKY-HIと大知くんはアーティストとしての活動が軸にある存在で、山下くんももちろんアーティストなんですけど、同時に俳優としての顔も持っていて、マルチに活動している。だからこそ、彼の音楽活動を待っているファンの方たちから「山下くんの音楽活動を見せてくれて、そのきっかけを作ってくれてありがとうございます」といった感謝の言葉が僕のところにたくさん届いて。それをそのまま彼に伝えたら「本当に!?」と喜んでくれて、僕もうれしかったです。

▼「THE FUSION」Music Video


EP『THE FUSION』
NOW ON SALE

①<初回限定盤(CD+Blu-ray)>
XNLD-10288/B / ¥6,600

②<通常盤(CD)>
XNLD-10289 / ¥2,310

▼STREAMING & DOWNLOAD
https://lnk.to/omi-thefusion-EP

photography_Tany
text_星野彩乃
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