11月1日(土)から9日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて、たやのりょう一座第14回公演 一座二部作『熱海殺人事件』『ストリッパー物語』の2作品が上演される。そのうちのひとつ、『熱海殺人事件』で主演を務める小澤雄太にインタビューを敢行。今作の魅力やこの舞台にかける想いを語ってもらった。
僕は15年ほど前に山崎銀之丞さんが出演している舞台を拝見させていただいたのですが、冒頭の3分を見ただけで衝撃を受けました。きっと、あの3分を見た役者は必ずこの作品を演じてみたいと思うはずです。僕もその日から、いつか演じてみたいとは思っていましたが、40歳という節目にこの作品のオファーをいただき驚きました。さらに劇団EXILEの旗揚げ公演を行った紀伊國屋ホールでこの舞台を再現、なおかつオリジナルの戯曲をそのままやらせていただけるということは、僕にとっては2回目の旗揚げのような気持ちです。これまで俳優としてやってきた集大成、さらにこの先の役者人生を歩んでいくうえでの指標となるんじゃないかと思っています。
本当にそう思います。この年齢になると、セリフ覚えも悪くなりますし(笑)、かなりプレッシャーが大きすぎるのですが、役者・小澤雄太にやらせる作品としてはピッタリだと思ったんです。こうやって、乗り越えなくてはならないハードルを自分に課すことによって、僕にとって新たなターニングポイントになるんじゃないかなと思うくらい、ものすごく気合いが入っています。それに、“たやのりょう一座”の座長のたやのくんは、昔、アンサンブルとして入っていたことがあるんですよ。そのときに悔しい想いをたくさん経験しました。それから時が経ち、今度はその一座の座長として立つことができて、縁を大事にしながら、一生懸命やってきた想いがちゃんとつながった気がしてすごく感慨深いんです。今になって、思い切りぶつかることができる作品に出会えた気がしています。
そうなんです! 今年は4本舞台に出演していて、ドラマや映画の撮影もしているのですが、全部スーツでそのうちの半分が刑事なんです! そんなことってありますか⁉(笑) 今日の衣装も、カジュアルなものも用意していただいたのですが、やはりスーツでいきましょうってなりました。そろそろスーツのCMが来てもいいんじゃないかと思っています(笑)。
(笑) 実は最初に劇団EXILEの旗揚げ公演をしたときに、30代後半の刑事の役だったんです。当時はみんなが若くて、老け顔の人は僕しかいなかったので適役だったんでしょうね(笑)。それから20年近く経って、また刑事の役で主演として同じ場所に帰って来られるとは思いもしませんでした。実は当時の公演は入院していた父が病院を抜け出して見に来てくれていたんですよ。そのあと亡くなってしまったのですが、そういった意味でもものすごく思い入れが強いですし、とにかく気合いが入っています!
今までにないくらい気合いが入っているんですよ! 台本が頭から離れないくらいの気持ちで取り組んでいます。11月からの舞台で、現在9月の頭なのですが、すでに台本を読み込んでいます。僕は舞台に立たないと覚えられないタイプですし、先にセリフを覚えるとお芝居が固まってしまうんですよね。でも、今回は前作のDVDなどを見て立ち位置を見たり、どう展開していくのかをしっかりと予習しています。そのうえで、今回『熱海殺人事件』というカテゴリーをぶち壊したいと思っていて。常に“小澤雄太なら、どうするだろう”ということを常に頭に入れて稽古に備えています。
こぐれさんは、ものすごいプレッシャーをかけてくるんですよ。まず、「45年前に、劇団☆新感線を立ち上げたときに最初にやった作品でみんなカッコいい作品なんだから」と言われて。さらに「お前にしかできないんだ、お前ぐらいしかいねぇよ」とも言ってくれたんです。
うれしくないです!(笑) プレッシャーがすごいんですよ! この作品は、最後に台本1ページくらいの長セリフがあるんです。でも、あまりにもそれが大変なので、これまではこの最後のシーンがカットされることが多かったんです。でも、「今回はそこもやるから」って言われているので、今からドキドキしています(笑)。
この作品の良さって、生でしか伝えられないものだと思うんです。そのうえで、ワンシチュエーションでやる演劇として、トップクラスに有名な作品なんです。それに、この木村伝兵衛を演じ切れる人って、そう何人もいないと思っています。さらに、この作品を演じるとなったら、役者たちは丸裸になるしかないんです。心を裸にしないといけない、自分があらわになってしまう瞬間がたくさんあるんですよね。人間のいい部分も、汚い部分もすべて見えるからこそ、当たり前の概念をぶっ壊される作品になるので、その感覚を楽しんでほしいですし、魂を感じてもらいたいです。
STAGE information
紀伊國屋書店提携公演
たやのりょう一座 第14回公演
一座二部作
『熱海殺人事件』『ストリッパー物語』
日程/11月1日(土)〜9日(日)
会場/東京・紀伊國屋ホール
料金/S席¥10,000、一般指定席¥7,000、学生席¥4,000(全席指定)
作/つかこうへい
演出/こぐれ修(劇団☆新感線)
出演/
【熱海殺人事件】
小澤雄太(劇団EXILE)
松川尚瑠輝
小池里奈
田谷野亮
【ストリッパー物語】
日比美思
田谷野亮
滝澤エリカ
大川泰雅
八条院蔵人
永井彩加
門松順
なだぎ武
企画製作/合同会社一座
提携/紀伊國屋書店
https://spice.eplus.jp/articles/339751
【チケット発売】
1)カンフェティ
http://confetti-web.com/@/tayano2025
2)キノチケオンライン
https://store.kinokuniya.co.jp/ticket/
3)キノチケットカウンター(店頭販売)
紀伊國屋書店新宿本店 1F(10:00~18:30)
photography_小池大介(小池大介写真事務所)
text_吉田可奈
舞台『熱海殺人事件』は、名作として多くの人に愛される作品となります。小澤さんはどんな印象を持っていましたか?
僕は15年ほど前に山崎銀之丞さんが出演している舞台を拝見させていただいたのですが、冒頭の3分を見ただけで衝撃を受けました。きっと、あの3分を見た役者は必ずこの作品を演じてみたいと思うはずです。僕もその日から、いつか演じてみたいとは思っていましたが、40歳という節目にこの作品のオファーをいただき驚きました。さらに劇団EXILEの旗揚げ公演を行った紀伊國屋ホールでこの舞台を再現、なおかつオリジナルの戯曲をそのままやらせていただけるということは、僕にとっては2回目の旗揚げのような気持ちです。これまで俳優としてやってきた集大成、さらにこの先の役者人生を歩んでいくうえでの指標となるんじゃないかと思っています。
運命的なものを感じますね。
本当にそう思います。この年齢になると、セリフ覚えも悪くなりますし(笑)、かなりプレッシャーが大きすぎるのですが、役者・小澤雄太にやらせる作品としてはピッタリだと思ったんです。こうやって、乗り越えなくてはならないハードルを自分に課すことによって、僕にとって新たなターニングポイントになるんじゃないかなと思うくらい、ものすごく気合いが入っています。それに、“たやのりょう一座”の座長のたやのくんは、昔、アンサンブルとして入っていたことがあるんですよ。そのときに悔しい想いをたくさん経験しました。それから時が経ち、今度はその一座の座長として立つことができて、縁を大事にしながら、一生懸命やってきた想いがちゃんとつながった気がしてすごく感慨深いんです。今になって、思い切りぶつかることができる作品に出会えた気がしています。
そして、今回演じる木村伝兵衛も刑事役となりますね。
そうなんです! 今年は4本舞台に出演していて、ドラマや映画の撮影もしているのですが、全部スーツでそのうちの半分が刑事なんです! そんなことってありますか⁉(笑) 今日の衣装も、カジュアルなものも用意していただいたのですが、やはりスーツでいきましょうってなりました。そろそろスーツのCMが来てもいいんじゃないかと思っています(笑)。
それにしても刑事の役が板についてきていますよね。
(笑) 実は最初に劇団EXILEの旗揚げ公演をしたときに、30代後半の刑事の役だったんです。当時はみんなが若くて、老け顔の人は僕しかいなかったので適役だったんでしょうね(笑)。それから20年近く経って、また刑事の役で主演として同じ場所に帰って来られるとは思いもしませんでした。実は当時の公演は入院していた父が病院を抜け出して見に来てくれていたんですよ。そのあと亡くなってしまったのですが、そういった意味でもものすごく思い入れが強いですし、とにかく気合いが入っています!
その圧を感じます!
今までにないくらい気合いが入っているんですよ! 台本が頭から離れないくらいの気持ちで取り組んでいます。11月からの舞台で、現在9月の頭なのですが、すでに台本を読み込んでいます。僕は舞台に立たないと覚えられないタイプですし、先にセリフを覚えるとお芝居が固まってしまうんですよね。でも、今回は前作のDVDなどを見て立ち位置を見たり、どう展開していくのかをしっかりと予習しています。そのうえで、今回『熱海殺人事件』というカテゴリーをぶち壊したいと思っていて。常に“小澤雄太なら、どうするだろう”ということを常に頭に入れて稽古に備えています。
演出のこぐれ修さんとはどんなことをお話していますか?
こぐれさんは、ものすごいプレッシャーをかけてくるんですよ。まず、「45年前に、劇団☆新感線を立ち上げたときに最初にやった作品でみんなカッコいい作品なんだから」と言われて。さらに「お前にしかできないんだ、お前ぐらいしかいねぇよ」とも言ってくれたんです。
最高にうれしくないですか?
うれしくないです!(笑) プレッシャーがすごいんですよ! この作品は、最後に台本1ページくらいの長セリフがあるんです。でも、あまりにもそれが大変なので、これまではこの最後のシーンがカットされることが多かったんです。でも、「今回はそこもやるから」って言われているので、今からドキドキしています(笑)。
小澤さんにとって、今作にはどんな魅力があると思いますか?
この作品の良さって、生でしか伝えられないものだと思うんです。そのうえで、ワンシチュエーションでやる演劇として、トップクラスに有名な作品なんです。それに、この木村伝兵衛を演じ切れる人って、そう何人もいないと思っています。さらに、この作品を演じるとなったら、役者たちは丸裸になるしかないんです。心を裸にしないといけない、自分があらわになってしまう瞬間がたくさんあるんですよね。人間のいい部分も、汚い部分もすべて見えるからこそ、当たり前の概念をぶっ壊される作品になるので、その感覚を楽しんでほしいですし、魂を感じてもらいたいです。
STAGE information
紀伊國屋書店提携公演
たやのりょう一座 第14回公演
一座二部作
『熱海殺人事件』『ストリッパー物語』
日程/11月1日(土)〜9日(日)
会場/東京・紀伊國屋ホール
料金/S席¥10,000、一般指定席¥7,000、学生席¥4,000(全席指定)
作/つかこうへい
演出/こぐれ修(劇団☆新感線)
出演/
【熱海殺人事件】
小澤雄太(劇団EXILE)
松川尚瑠輝
小池里奈
田谷野亮
【ストリッパー物語】
日比美思
田谷野亮
滝澤エリカ
大川泰雅
八条院蔵人
永井彩加
門松順
なだぎ武
企画製作/合同会社一座
提携/紀伊國屋書店
https://spice.eplus.jp/articles/339751
【チケット発売】
1)カンフェティ
http://confetti-web.com/@/tayano2025
2)キノチケオンライン
https://store.kinokuniya.co.jp/ticket/
3)キノチケットカウンター(店頭販売)
紀伊國屋書店新宿本店 1F(10:00~18:30)
photography_小池大介(小池大介写真事務所)
text_吉田可奈
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