2025.9.19

朗読劇『夢から醒めない夢を見よ。』
瀬口黎弥×岩谷翔吾

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瀬口黎弥(FANTASTICS)と岩谷翔吾(THE RAMPAGE)出演の朗読劇『夢から醒めない夢を見よ。』が8月6日に上演された。
本番を終えたふたりに公演の感想や朗読劇のおもしろさ、互いの印象などの質問を投げると、同じ問いかけでもそれぞれ角度の違う答えが返ってきて「僕と黎弥くんは真逆の性格」(岩谷)の言葉を裏付ける内容に。その一方、申し合わせたわけでもないのにシンクロするエピソードもあり、併せて読むと“答え合わせ”をしているかのよう。
本作は瀬口演じる森口卓也と岩谷演じる原口海星、そして謎の男女の会話を中心に男同士の友情や夢を追うことの儚さが描かれるコメディだが、瀬口と岩谷のシーンはほぼ1対1の会話劇。緊迫感あふれるやりとりをとおしてふたりにしかわからない、ふたりだけの絆が紡がれたのかもしれない。


-STORY-


2人の男女の謎の会話からはじまる物語。
学生時代の同級生である役者の卓也とサラリーマンの海星はいつものように東京タワーの麓でお互いの近況報告をしていた。
ふとした会話から、ふたりはまだ上ったことがない東京タワーに上ってみることに。だがトップデッキまでたどり着いたとき、突然のJアラート音が鳴り出す。避難しながら「お前の役割は航と真帆を幸せにすることだ」と自分を犠牲にして海星を助けようとする卓也。
そして海星は今まで隠していた思いもよらない真実を卓也に告げるのだが……。


-COMMENT-


舞台を終えた感想を聞かせてください。


岩谷翔吾(以下岩谷):「楽しくてあっという間に終わってしまった」というのが率直な感想です。黎弥くんとのやりとりもおもしろくて刺激になりました。黎弥くんとはこれまでも何かと一緒になる機会が多かったのですが、僕とは性格が真逆で、真逆だからこそラクなのかもしれません。

瀬口黎弥(以下瀬口):とても楽しかったです! これまでの朗読劇とは違って、劇中にかなり動きがあったり映像演出もあったりして迫力のある作品だったので、終わったあとも達成感がありました。

特に印象に残っているシーンやセリフは?


岩谷:アドリブパートが白熱しすぎて黎弥くんが本編の芝居に入るきっかけを忘れていたところです(笑)。ただ僕はアドリブが苦手。自分も執筆するからか台本の言葉一言一句を大切にするタイプで、自分のアドリブで脚本家の意図に反したらどうしようとか作り手目線で考えてしまう。そのため、咄嗟に言葉を出すのが苦手なんです。

瀬口:印象に残ったのは「芸能界なんてその最たるもんだからさ。会食とかも酒を飲みながら肚(はら)の読み合いよ。普通の神経じゃ無理だよ。でもそれもどの世界にでもあるでしょ? 努力することが正義じゃない。結果を出すことが正義っていうか。だから美徳ってどこにあるんだろうなぁとかも思うし」と話すシーン。誰もが悩むこのセリフを吐き出したとき、僕自身の心に伝えているような感覚があって、同時に皆さんへのメッセージのような気もして印象的でした。

岩谷さん演じる原口海星はある秘密を持った役。役作りはどのように?


岩谷:海星の設定にもあるように、僕も小学校のころに転校を経験しているので役に入り込みやすくて。あまり役作りを意識したということはなく、自然体のまま挑みました。

瀬口さん演じる森山卓也は役者ということで、ご自身との共通点もあったと思います。どんな人物像を描いていましたか?


瀬口:自分と似ているなと思うのは、東京が自分に合っていないんじゃないかなと感じているところ。僕も福岡から上京してきて理解できないことや周りからバカにされたことも多々あり、批判されている感覚を持つことがあったんです。なので、僕は元々あまり人物像を作って演じるタイプではないのですが、卓也のセリフも自分のなかに自然に落とし入れ、心から思う自分の言葉として出すことができました。

今作はストーリーもひと筋縄ではいかない展開で、見る人によって解釈が分かれる内容です。タイトルの『夢から醒めない夢を見よ。』も意味深ですが、どのような解釈をしましたか?


岩谷:僕にとって“夢から醒めない夢”は現実のなかに持ち続ける理想や情熱のことだと思います。目が覚めれば日常に戻るけど、本当に大切な夢は起きている間もずっと心の奥で続いている。そんな意味をこのタイトルから受け取りました。

瀬口:ネタバレになるのであまり詳しく言えないですが、ある登場人物の夢の話かと思いきや、違う人物の夢の話だったのか?! と思いました。あと、最後の東京タワーでのシーンはまさしく夢の時間だったのではないかと思います。

朗読劇のおもしろさ、難しさはどんなところでしょうか。


岩谷:朗読劇のおもしろさは言葉だけで物語の世界を立ち上げられるところ。動きが最小限だからこそ、声の温度や間の取り方ひとつで観る人の想像力を一気に広げられるところがおもしろさでもあり、難しさでもあると思います。

瀬口:おもしろさは文字でストーリーが入ってきて、それを自分の感じるまま声として、動きとして伝えられるところ。でもお客さんに向けて伝えたいことをより強く表現するのは難しい部分でもあります。あと、朗読劇は普通の舞台とは展開の仕方が違う。瞬間的に変わる展開も多く、そこは演じる側の自分自身も驚かされますね。

では最後の質問。今作は卓也と海星の変わらない関係性が柱となっていますが、それぞれ「男の友情っていいな」と感じる瞬間はどんなときですか?


岩谷:THE RAMPAGE、そしてLDHのメンバーといる瞬間です。

瀬口:くだらないことで笑い合える瞬間です!


Photography_塩崎亨
Text_若松正子

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