2025.6.24

MUSCLE CIRCUS ~おもちゃの大冒険~
日髙竜太

  • BALLISTIK BOYZ FC対象
  • 一部フリー
日髙竜太が主演を務める『MUSCLE CIRCUS ~おもちゃの大冒険~』が4月20日に初演を迎えた。本作は世界トップレベルのアスリート集団であるサムライ・ロック・オーケストラ(SRO)の新作でアクロバットと音楽が融合する、まさに“マッスル”を極めた舞台。次々と繰り広げられる驚愕のパフォーマンスに一瞬も目を離せないスリリングなアクトが見どころだが、日髙もずば抜けた身体能力を発揮し主役の貫禄を見せている。インタビューでは、本作ならではの稽古の様子や初ミュージカルでの新たな発見、今後の活動、そして最近ハマっていることなどプライベートについても質問。日髙竜太のONとOFFを語ってもらった。


初日公演を無事終えられ、お疲れさまでした。前日のゲネプロを観劇させていただいたのですが、見せ場が多すぎて圧倒されました。日髙さんはじめキャストの皆さん、身体能力が高すぎてすごかったです。


本番はすべてにおいてゲネプロ以上のクオリティを出せました。稽古の段階から出演者の皆さんの演技を見て「とんでもない舞台になるな」という自信はあって。僕にとってもそれが刺激と学びになっていたのですが、本番は予想以上の手応えがあり、観に来てもらいたいと心から思える作品になりました。

サムライ・ロック・オーケストラ(SRO)は飛び箱世界記録保持者の元体操選手・池谷直樹さん率いるパフォーマンス集団。キャストはアスリート出身者たちで、日髙さんはその中で主役を務め、しかも彼らと遜色ない技を完成させなければいけないわけで。相当プレッシャーだったのでは?


いいプレッシャーを感じていました。とにかく自分にできるベストを尽くそうと思っていて「できない」というのはなしにしたいなと。どんな技も「これはできません」と言う前に「やってみます」から始めてチャレンジし、同時に僕の見せ場でもある歌やダンスではしっかり自分をアピールする。そうやって(主役としての)責任感を持ちつつ新たなことに挑戦するというスタンスでした。

そもそもSROの公演に出ることになった経緯は?


元々ミュージカルの舞台には興味がありまして、いつかチャンレジしたいと思っていたなかでオファーをいただきました。歌と踊りのほかに身体を動かすのが得意というところで僕に声が掛かったみたいですけど、こんなにぴったりハマるものかと。ミュージカルといっても(SROの)過去作を拝見すると、身体を動かすことがメインなので挑戦しやすいなと思っていたのですが、実際にやってみたら自分でも「適任だな」と実感しました(笑)。

運動神経には自信あり?


めちゃめちゃ自信があります。なので、あまり心配はなかったのですが、気付けば自分もどんどん年を重ね、最近は「身体にきてるな」と感じることもあって。でも『MUSCLE CIRCUS』をやることでまたパワーアップできました。僕は主役だったのでやらなくてはいけないことがたくさんあったのですが、周りは全部一流の方たちでこんなありがたい環境はないですから。皆さんに教わりながら吸収できるものはすべて吸収しよう、そして自分の特技を増やしていこうって気持ちで稽古に挑めました。

確かに舞台では跳び箱からフープ、アクロバット等々、さまざまな技を完璧に仕上げて披露しています。いちばん大変だった演目は?


ヨーヨーですね。難しくて一番の不安要素でした。僕以外の出演者の方もヨーヨーは初めての人が多かったので稽古中もいちばん失敗が多くて。本番中は変なことをせず、練習どおりにやることを心掛けましたし、とはいえお客さんに見られているので下ばっかり向いているわけにはいかない。前をしっかり見て、でも腕の動きは練習どおりみたいな(笑)。それもまた難しかったですけど、ひとつひとつ丁寧にやりました。あとフープも不安要素のひとつで、ゲネでは1回だけくぐるときに引っかかったのですが、これもとにかく練習どおりが基本。そこはライヴと違っていて、ライヴは本番で120%の力を発揮するため歌もダンスもいろいろ試したりするけど、『MUSCLE CIRCUS』は皆さんとの連携技なので自分だけ稽古と違うことをすると失敗につながってしまう。なので、練習したことを確実にできるよう、とにかく演技に集中するって感じでした。

トータルの稽古期間はどれくらいだったんですか?


2ヵ月間ぐらいです。1日12時間やっていたときもあって最後のほうはそれが毎日続いたんですけど、ケガだけはしないように気をつけていて。気を抜いたときにそういうアクシデントが起こるので、常に緊張感を持ちながらやるようにしていました。ただ出演者の方たちは皆さん、やはり練習の仕方が上手いんです。なかには失敗したら大ケガをするような大技もあって見ているこっちもハラハラするんですけど、環境や体調が整っていなければチャレンジしない。やるときとやらないときのメリハリがしっかりしているんです。そういうところはさすがだなと思いましたし、トレーニングの仕方は僕らアーティストに通じる部分もあるなと。僕らもライヴでアクロバットをしますけど、練習も本番も正直怖いんです。もう恐怖心との戦いで、そこに打ち勝ってやる感覚はアスリートの方たちと似ているというか。出演者の方たちは軽々と技をやっているように見えますけど、「実際は怖いし『自分ならできる』って言い聞かせてやっている」って言っていました。その話を聞いて一緒なんだって思ったし、感覚がわかるからこそ皆さんのすごさを改めて感じました。

今回は技だけでなく、日髙さんの歌声にも圧倒されました。芯に響いてくるような声量と歌唱力で、こちらもかなりトレーニングされましたか?


もちろんボイトレはやりましたけど、単純にソロで歌うパートが多かったから、そう聴こえたのかも。BALLISTIK BOYZだと7人でパートを割るから、そこまで存分に歌えないじゃないですか。あとミュージカルの歌はやっぱりライヴの歌とは違う。雰囲気で歌うんじゃなく自分らしさを出しつつ、はっきりわかりやすく声や歌詞が届くように意識しないといけないので。でも、そういう歌い方だと自分本来の声をストレートに出せるので本当に気持ち良かったです。あと声量に関してはやっぱりトレーニングのおかげで、今回の舞台で成長できた部分でもあるので自分たちのライヴでも活かせる気がします。

役作りについてはどんなことを意識されましたか?


役作りは演出の池谷(直樹)さんから、あまり指摘がなかったんです。僕の役は「15歳の踊るおもちゃ・リム」というキャラクターということで、自分なりにイメージしてセリフの言い方や声のトーン、動きも作品の世界観を意識して表現するようにしたのですが、それがハマっていたみたい。こういった役作りは初めてだったのですが、挑戦してみるもんだなって思いました。

日髙さんが思うミュージカルの魅力はどんなところでしょうか?


まず小さい子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、誰が観ても楽しんでもらえるところです。しかも勇気や感動、夢が詰まっていて、LDHが掲げる“Love,Dream,Happiness”に通じるものがあり、すごいパワーをもらえる。特に『MUSCLE CIRCUS』は出演者が本当に頑張っていないとできない舞台ですし、努力しないとあの作品は作り上げられないとわかってもらえると思います。

どの演目も説得力がすごいというか。それぞれが限界に挑戦している姿は観ているだけで感動して涙が出そうになります。


本当にそうです。身体ひとつであそこまでのものを全員が表現し切っている姿を感じてほしいですし、観ている人たちに勇気や力を与えることができたら僕らも頑張った甲斐があります。

初日公演にはBALLISTIK BOYZのメンバーのほかGENERATIONSの中務裕太さん、FANTASTICSの木村慧人さんもいらしたそうですが、皆さんどんな感想でしたか?


みんなメチャクチャおもしろいって言ってくれて、慧人とかはすごい長文でLINEをくれてありがたかったです。メンバーも僕が稽古に励んでいるのを知っていたし、裕太くんもスポ男(『最強スポーツ男子頂上決戦』)の練習で稽古場に来ていたので努力の過程をわかったうえで観てくれたことがうれしかった。普通の人なら舞台の裏側まで考えないじゃないですか。でもそれがわかる人には2ヵ月間の稽古でどれだけのものを僕らが積み上げたか、そしてその結果をステージで出し切っていることが観るだけで伝わるんだなと。みんなの感想を聞いて「努力は裏切らない」って改めて実感しました。

日髙さん的に特に注目してほしい演目を挙げるなら?


やっぱりフープのところかな。さっきも言ったとおり僕自身、たくさん失敗したのでぜひ注目してほしいです。あと前半にアクロバットの技をしてから歌い出すシーンがあるんですけど、あれはジャックナイフという技らしくて。足を持って投げられたあとすぐに歌うんですけど、そこは演者の方たちからもすごいって言われました。そのほかにもキューブを回したりチアをやったり、しれっといろいろなことをやっているんですけど、チアはなかなか上手くできなくて。でも練習を続けていたら、あるとき急にできるようになりました。

突然、臨界点を超えたんですね。


本当に不思議なんですけど突然きれいにできるようになって、そういう貴重な体験もこの舞台で得たものだと思います。あと僕のパートじゃないけど椅子を何脚も積み上げてその上でポーズをとるアクロバットはもうすごすぎて、間違いなくこの舞台の見どころひとつじゃないかなと。

あれはまさに超人。限界を超えた技でした。


あの技は本番中もそうだし、稽古中も成功するたびに僕も感動しました。恐怖に打ち勝つために、どれほどすさまじい集中力でやっているんだろうって考えると、見ているだけで涙が出そうになる。ただ今回そういう一流の人たちと一緒に稽古をしてわかったんですけど皆さん、リハーサル中もまったく失敗しないんです。だからこっちも「大丈夫かな?」って心配せず、安心感を持って見られる。そのレベルにいくまで池谷さんに相当泣かされたって言っていましたけど、どれもこの舞台でしか見られない本当に一流の技ばかりだから全部が見どころ。どんな演目もみんなでひとつひとつ頑張って作り上げているので、スケジュールが合ったら絶対観に来てもらいたいです。


STAGE information
『MUSCLE CIRCUS ~おもちゃの大冒険~』
日程/7月28日(月) [群馬] 高崎芸術劇場 大劇場
8月31日(日) [埼玉] 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
10月5日(日) [東京] なかのZEROホール
料金/S席¥8,500、S席こども¥4,500(全席指定)
※こども料金は小学生が対象となります。
※未就学児童(小学生未満)に限り保護者ひざ上1名まで無料
※出演者は変更となる場合がございます。
※当日券は一般販売価格の500円UPになります。
主役/日髙竜太
出演/≪群馬公演≫
準主役:才川コージ
≪埼玉公演≫
準主役:平野泰新(MAG!C☆PRINCE)
サムライ・ロック・オーケストラ/Star Lights/EXPG/奥村等士
総合演出/池谷直樹
主催・企画・制作/(株)サムライ・ロック・オーケストラ
【群馬公演・埼玉公演チケット情報】
https://e-ticketbook.com/muscle-circus/2502-tb/


photography_窪田亮
text_若松正子

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