2025.5.2

2nd フォトエッセイ『PROMISE』刊行記念イベント
川村壱馬

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LDH JAPANと幻冬舎がタッグを組んでTHE RAMPAGEのメンバー16人それぞれの個性を引き出し書籍化するプロジェクト「GL-16〜THE RAMPAGE BOOKS」。昨年7月から12ヵ月連続で刊行している大型企画の10作目は川村壱馬のフォトエッセイ『PROMISE』。その刊行記念イベントが4月5日(土)に開催された。会見では自らエッセイを執筆した理由やタイトルに込めた想い、撮影地となったイギリスの印象について、一語一語、じっくり言葉を選びながら語った川村。その一方、撮影中のエピソードやフォトエッセイについてのあるメンバーとのやりとりなど、ほっこりする話も飛び出しなごやかな雰囲気に。また後半の独占インタビューでは今作についてさらに深掘り。正直に率直に言葉をつなぐ川村壱馬のリアルな想いをお届けする。


「手に取った瞬間、すごい完成度が高いなと。(制作スタッフが)本当にこだわってくださったので、満足感のある1冊になったなと思いました」。会見の冒頭、そう言ってスタッフへの想いをまず口にした川村。インタビューの書き起こしではなく自ら執筆し、しかも手書きにこだわった理由も制作スタッフへの敬意があったと言う。「エッセイでは自分が日頃思っていることをとにかくちゃんと伝えたかったのですが、そのためにはメールより手紙、手紙より直接話すほうが伝わると思っていて。あえて手書きにしたのは、きちんと労力をかけるという行程を大事にしたかったんです。僕は作家ではなくアーティストなので、本を書かせてもらえるのは全然当たり前じゃないし、当たり前にやるのも違う。だからこそ出版社さんへの敬意も込めて、あえて手書きにこだわりました」。タイトルの『PROMISE』はそんな川村の気持ちにピタリと合致する言葉だったとか。「書いているときから“約束”って言葉がいちばんしっくりくると思っていたのですが、書き終わったらよりしっくりきすぎちゃって、ほかに考えられないくらいハマっちゃいました(笑)」「この本は自分との約束であると同時にファンの皆さんとの約束もでもあって。あとは自分の中での宣言というか。世の中に対しての宣戦布告じゃないけど、変な価値観や風潮に対してどうにかしたいって気持ちもあり、そのすべてを含めて『PROMISE』というタイトルしかないと思いました」。

続いて「一度は訪れてみたかった」という撮影地イギリスのグラストンベリーとロンドンについて質問が飛ぶと、顔がほころび、うれしそうな表情に。グランストンベリーは川村の大好きなアニメ『Fate』シリーズの聖地なのだ。「アニメの聖地として漠然とイメージしながら行ったのですが、街並みを見ているだけでテンションが上がっちゃって。あと現地の方々は英国紳士って言葉があるように落ち着いた空気の方が多かった印象。僕も普段ハイテンションな感じではないので、心地良くいられました。あとちょうどハロウィン期間だったので仮装をされている方もいらっしゃったのですが、日本と違ってもっと落ち着いて楽しまれているのがめっちゃいいなと思いました」。ちなみに今回お気に入りの写真として挙げたのもグラストンベリーで撮ったもの。それはカラスとのツーショット写真で「カラスが好きなので僕から『カラスと一緒に撮りたい』と提案させてもらったんです。そしたら当日現れたカラスがすごくかわいくて、それもうれしかったですね」と“異種交流”のエピソードを語ってくれた。


会見の後半「読者の方にいちばん伝わってほしいことは?」という質問には「ある種の哲学書みたいに読んでいただければ」という答え。「大前提として僕自身がこうやって生きられたらいいなということを書いているのですが、もちろん強制するものではなくて。でも読んでくれた方に『こういう価値観もあるのか』とか『ちょっと試してみようかな』って思っていただくことで、その人の人生が豊かになればいいなと思っています」「そして大事なのはやはり信頼で、このフォトエッセイを通してファンの方との信頼をより強く構築できたらといいなと。皆さんと人として向き合えるように、普段伝えている僕の想いをより細かく記しているので、そういう部分がちゃんと伝えられたらいいなと思っています」。メンバーに関してはまだ完成本を手渡せていないので反応を聞けていないとのこと。だが執筆中にリーダーの陣とは話をしていたという。「陣さんの『JOKER』(2月刊行の1stエッセイ)を読んでいたので『読みましたよ』って言ったら、陣さんも僕が書いていることを知ってくれていて。『めっちゃ読むの楽しみにしてるわ』って言ってくれたので陣さんの感想を聞くのが楽しみです」。


今作も含めソロでの活動も多忙な川村だが、会見の終盤「今後やりたいことは?」と聞かれると、すぐに出てきたのはやはりTHE RAMPAGEの活動について。「現在ライヴツアー中で、今年はいろんなところに行くのですが、できたら47都道府県全部行けたらいいなと。全部の場所でライヴ公演することはおそらくできないと思うんですけど、たとえば近畿地方に行ったとして、ライヴで行けない県があるなら公演の合間の日にプロモーションで行ったり、仕事じゃなくても現地の神社を回ったり、そういうことができたらいいなと思っています」。そして最後は「この本をきっかけに少しずつでもいい世界にしたいというか。ちょっとでも世界に役立つようなものになったらいいなと思うので、誰かに薦めていただけたらうれしい。そして何より受け取ってくださった方の人生の役に立つ存在になることを願っています」とファンへのメッセージで締めくくった。常に周りの人や自分を取り巻く世界を大きな視点で捉え気遣う川村。言葉ひとつひとつから、そんな彼の人柄が伝わってくる会見だった。



BOOK information

『PROMISE』川村壱馬(THE RAMPAGE) 撮影:大野隼男/幻冬舎


『PROMISE』
NOW ON SALE
定価:3,080円
仕様:A5判並製/232頁
発行:幻冬舎
https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344042889/

photography_塩崎亨
text_若松正子


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