2024年11月、初の日本武道館公演『BALLISTIK BOYZ LIVE 2024 "BBZ EVOLUTION"』を経て、BALLISTIK BOYZ 第一章が完結。2025年6月、兵庫で初のアリーナライヴを控え、さらにステージアップしていくBALLISTIK BOYZが3月26日(水)に1st Best Album『Chapter 1』をリリースした。デビューから約6年間の軌跡をすべて詰め込んだ一枚が完成。今回は、加納嘉将にロングインタビューを敢行。アルバムの話やこれまでのグループ活動の振り返り、さらに6月に開催される『BALLISTIK BOYZ ARENA LIVE 2025 "IMPACT"』への意気込みなどたっぷりと語ってもらった。
デビューして5年が経つのですが、「こんなに曲を出していたんだ」という率直な気持ちと、「本当にいろんなことがあったな」という気持ちです。
うわぁ、いっぱいあるんですけど……単純に、聴いていて好きなのは「360°」「マーメイド」「Life Is Party」……あとは「BLAST OFF」と「NU WORLD」かな。
いや、これは僕なりのポリシーで。自分たちの曲って、ライヴでも歌うし、レコーディングでもメチャクチャ歌うので、歌うときになるべく常に新鮮な気持ちでいたいんです。だからレコーディング前も、僕はそんなに聴き込まずにいきます。聴きすぎると自分の中での正解が固まっちゃって、そこから崩せなくなっちゃうので。ライヴでも、たとえばブレスの位置とか、どれくらい伸ばすとか、うろ覚えくらいのほうがそのときの気持ちで表現できる気がしていて。
そうなんですよ。「あ、来たわ」「またこの曲か」みたいな気持ちには絶対になりたくないので。だから逆に、「マーメイド」とかラップ曲は普段からよく聴きます(笑)。
「Life Is Party」「360°」「In My Eyes」ですかね。フロウが気持ちいいんですよね。
歌詞は「Chasin’」とか結構好きですね。「Chasin’」はメンバーが歌詞を書いているからリアルな想いだし、歌いながら「そんなことあったよな」って思い出せるから余計に。「N.E.X.T.」もタイにいたときの想いをメンバーで話し合って歌詞にした曲だから好きですね。やっぱりメンバーが書いた歌詞はどうしても思い入れも深くなります。
断然「テンハネ -1000%-」ですね。
いや~、やっぱりすごいなと思います。撮影のときは、警察に協力してもらって大きな橋を通行止めにして撮ったんですよ。その規模感もすごいなと思いました。
楽しかったことか~。楽しかったことは、普通にメンバーとお仕事でいろんな経験をさせてもらえることですね。たとえばCLでみんなでボードゲームをしたり、ライヴで各地に行ったり。そうやって、メンバーと笑い合いながらいろいろなことを乗り越えてきた感覚があって。そういうことひとつひとつが楽しかったですね。
そうですね。マサ(砂田将宏)、(奥田)力也、(深堀)未来はニューヨークから帰ってきて、わりとすぐだったこともあって、最初からすごくフランクだったんですよ。会った瞬間「What's up bro?」みたいな(笑)。普通だったら「これからよろしくお願いします」から始まると思うんですけど、その3人は「よっしー、『週刊EXILE』見てたよ!」って最初に言ってくれたりして。だからそのあたりの距離の詰め方は、ほかのグループとは違ったのかなと思いますね。
お互いにリスペクトもありつつ仲がいいっていう感じですね。久しぶりにステージに立ったりするといつも思うんですよ、「これ、ひとりだったら緊張して不安になっているだろうけど、この7人だったらいけるっしょ」って。その気持ちは、最初のころも思っていましたし、今でも思っています。
コロナ禍ですね。というのも、今思うと、BALLISTIK BOYZって最初めっちゃ調子良かったんです。ニューヨークから帰ってきた3人が入って、LDHで初めて全員が歌って踊るグループで。勢いが半端なくて、会社からも期待されていた。実はデビューの時点で、海外ツアーとか海外のフェスも決まっていたんです。デビューアルバム(2019年5月発売『BALLISTIK BOYZ』)収録曲の「テンハネ -1000%-」のMVは、最初なのにLAで撮ったりして。本当に会社が注目しているグループだったんですけど……その直後にコロナ禍になって。ツアーも3公演で中止になり、海外のフェスの話もなくなり……。「そりゃ、そんな上手くいくわけねえよな」っていう感じでしたね。
いや、それはなかったですね。自分でもカッコいいグループだと思っていました。もちろん自分に対しては「もっとこうなりたい」みたいなものはありましたけど、グループを客観的に見ると「イケてるメンバーしかいないな」と思って。ただ、不安ではないですけど「このままいったらどうなっちゃうの!?」みたいな感じはありましたね。特に僕はほかのメンバーと違って、EXPGにいた期間も短くて、先輩のツアーのサポートメンバーもやってこなかった。EXPGに入って、すぐにオーディションが始まって、気がついたらBALLISTIK BOYZになっていて………みたいな感じだったから、すべてが新しくて、「なんだこれは」と思っているうちにどんどん物事が進んでいった感じでしたね。僕ひとりじゃ見られない夢を、メンバーがいたから見せてもらえているんだとは思っていました。
ずっと葛藤していました。発信することが正解なのかもわからなかったし、だけど、僕らのメッセージで元気になってくれる人もいたし。僕は宮城出身で、3.11(東日本大震災)のときに被災地にEXILEさんが来てくれて、それが「LDHのアーティストになりたい」と思ったきっかけなんですけど、その時期にちょっと似ているなと思いました。「EXILEさんは被災地に来てくれたよな」と思うと、発信だけでもするべきだよなって思ったりして。でもずっと正解がわからなかった。だけど、そんなことをずっと続けているわけにもいかないよなって、みんなで話しながら、なんとか支え合っていたという感じでした。
何だろうな〜。
武道館は、僕的には「うれしい」というよりは、「ようやく」という感じだったんですよね。コロナ禍があって、そのあとタイに行かせてもらって……と、いろいろなことを経てようやくたどりつけたもの。それまでの努力や時間が報われた瞬間でした。たぶんBALLY'Sの皆さんもようやくひとつ上のステージを見られたと思ってくれたんじゃないかな。そう考えると、グループで「バンザイ!」ってなるくらいうれしかったことと言ったら、やっぱりデビュー当時ですかね。デビュー決定とか、MVをLAで撮れたことなどがうれしかったです。
すごく印象に残っているのは、福岡での年越しライヴ(『LDH PERFECT YEAR 2020 COUNTDOWN LIVE 2019▶2020 "RISING"』)で、EXILEさんと一緒にEXILEさんの曲を踊れたこと。しかもドームで。それはすごく特別な思い出でした。
大違いですね。デビュー当時のイメージだと、武道館をやっていたころには、ドームをやっていたくらいのイメージでした。デビューしたときが本当に勢いがあったから、当時いい意味で目標がどんどん塗り替えられていったんです。「この勢いでいったら、来年アリーナできるぞ」とか。だけどコロナ禍の影響で塗り替えられてしまって。「ここに向けて頑張ろうよ」って目標を立て直してみてもギリ届かない、みたいなことの繰り返しで。そんな中でようやく届いた武道館という感じでした。
苦しかったです。
単純に歌が好きということと、メンバーが良かったから。メンバーと一緒にいて楽しいんです。あとは応援してくださる方の存在も。ここまでついてきてくれたから無下にはできないなという気持ちはすごくあります。僕らの活動があって頑張れているという言葉をもらうこともあって、そう思うと、BALLISTIK BOYZの夢は、僕ひとりだけの夢じゃないんだなと思えた。メンバーみんなで描いている夢を、僕ひとりで潰せないなって。
いや、それはないです。「もしこの状況で僕が消えたらどうなるんだろう」「今、ここで僕がやりたくないと言って逃げたらどうなるんだろう」と想像したことはありますけど、実際に辞めたいと思ったことはないです。
竜太くんは最初から責任感は強かったですが、グループになってからは、リハーサルも先陣切ってまとめてくれたり引っ張ってくれたりして。ずっとみんなのお兄ちゃん的存在です。変化でいうと、もともとはジムとか行ってなかったんですけど、いつの間にか開花して。それからは定期的にジムに行って鍛えています。
竜太くんは『VOCAL BATTLE AUDITION 4』にも出ていたのでもともと知っていたし、僕は『VOCAL BATTLE AUDITION 5』では竜太くんが目標で一番のライバルという感覚で。歌も上手いし、ダンスもできるしで、すごいなと思っていました。
どうなんだろう。僕はそこまで意識はしていないですけど……ライヴでたまにいつもと違う歌い方をしていたり、いつもよりもいい歌を歌っていると「いいね!」ってお互いに言い合うみたいな感じはあるんですよ。だからライバルというか、ひとりの歌い手としてお互いを見ているのかなと思います。ちょっと小っ恥ずかしいですけど、今でもお互いの「おっ」と思ったときは思わず言っちゃいますね。
流星は特攻隊長みたいな感じ、いい意味で暴れ回ってくれるキャラという印象だったんですけど、いろいろな経験をしていくなかで、ギャップがあることに気付いて。そのギャップがすごくいいなと思いました。ゲームが超好きだったり、CLとかではあまりしゃべらないのにライヴになると派手にパフォーマンスするみたいな。
特攻隊長って言われていたこともあって、曲の最初を流星が担当することが多くて。身体を大きく使ってラップしながら踊るという印象があります。あとはグループの中で唯一のミックス。ポルトガル語も話せたりして、グループに花を添えてくれる存在でもあるなと思います。
未来はクリエイティブな面が強い。絵もすごく上手だし、音楽も作れる。実際にこのアルバムの中にも未来が作った曲もあって、僕たちが自己プロデュースしていくうえで欠かせない存在ですね。あとは、趣味に対してもそうですけど、やると決めたことに対する集中力がずば抜けていて。たとえばF1にハマったらゲーム用のハンドルを買ったり。最近はルービックキューブにハマっているんですけど、1日中カチャカチャやっていて。そういうときの集中力がすごいなと思います。
初期の曲の振り付けは未来が作ってくれていることが多かったのですが、個人的には未来の振りの音の取り方が好きでした。今でも「またメンバーが作った振りで踊りたいな」と思うときがあります。
力也はいわゆるムードーメーカー。みんなでいるときには笑わせてくれますし。フレンドリーなので気に入られる素質を持っているなと思います。あとニューヨークから来ているというのもあって、ラップやパフォーマンスがカッコいい!
変化か~。いい意味で、たぶんいちばん変わっていないのが力也なんじゃないかな。メンバーが落ちているときに連絡くれるのも力也なんですよね。実際僕もそういうことがあって、そのときは僕がそのときいる場所まで会いに来てくれました。メンバー愛が人一倍強いのかな。その絆は6年間で培われたものだと思いますし、その絆を大切にしてくれる力也は、メンバーにとっての拠りどころになっているなと感じます。
「この6年間の中で誰がいちばん変わったか?」という質問をされたときに、僕はいつも利樹と答えています。デビュー当時の作品とかを見てもらえればわかると思うんですけど、見た目がいちばん変わりましたし、ダンスの踊り方も変わって。なんなら別人なんじゃないかと思うくらい変化したメンバーですね。
もともとあまり自分から意見を言うタイプではなかったですけど、こだわりは強くて。メンバーで何でも言い合えるようになってからは、ファッションが好きなこともあって、「今のBALLISTIK BOYZはこうだから、こう写すのがいいんじゃない?」とか「今回はこういう衣装が合うんじゃない?」って客観視しながら自分のこだわりを入れてくれます。
マサは最年少なこともあって、この6年でめっちゃ大人になったなという印象ですね。出会ったころは確か17歳とかだったので、結構わっきゃわっきゃしていたんですけど、今は聖人みたいな感じ(笑)。たぶん老若男女誰とでも、いい意味で話せるし、クライアントさんとかテレビ局の方とかと会ってもいちばんいい話題を出してくれるんですよ。僕がそっち側だったらたぶんマサにご飯奢ってると思う(笑)。名前や顔を覚えるのも得意だし、とにかく人付き合いがメチャクチャ上手いです。将宏がいれば安心できます。
ずっとロン毛で、セクシーな雰囲気を出してパフォーマンスするのが得意だったんですけど、最近髪を切って。パフォーマンスもその雰囲気を活かしたものになっていてすごくいいなと思いました。カッコいいですよね。ちなみに僕は短髪のほうが好きです。
何年か前、マサだったかな。「僕らって、今や家族よりも一緒にいて、同じ時間を過ごして同じ仕事して……もう家族じゃん」って言ったんですよ。それを言われたときに、ハッとしました。それまでそう思っていなかったわけじゃなかったんですけど、はっきり言われて「そうだよな」って改めて再確認したというか。グループを組んでいても、メンバーを仕事仲間と捉えている人もいると思うんですよ。どっちがいいとか悪いとかじゃないですけど、メンバーのことを「家族」って言える人ってはたしてどれくらいいるんだろうと思いました。
大きくは変わっていないですけど、さっき話した「自分ひとりの夢じゃないんだから」という、夢の共有という意識は少し変わりましたね。メンバーがかなえたいと思うことは、もちろん僕もかなえたいことでもあるし、逆に僕が諦めてしまったらみんなの夢もかなえられなくなるんだなって、改めて思うようになりました。
武道館は1日のみでしたが、今回はアリーナ2DAYS。ようやくアリーナツアーが視野に入ってきたところなので、「やっぱりBALLISTIK BOYZのライヴって楽しいよね」「バリのライヴはホールじゃなくて、この規模で観るのがいいよね」って思ってもらえるようなライヴにしたいですね。可能性を見せていきたいです。
もちろん距離の近いライヴも僕は好きですけど、大きいステージでやると、特効があったり、大きく映し出された映像が使えたり、その映像に合わせてステージに装飾が施されていたりと、大きくなればなれるほどできることが増えていく。そういうものを活かして作り上げる世界観を楽しんでもらいたいなと思っています。
そうです。そういうところも含めて楽しんでもらえるようなライヴにしますので、楽しみにしていてもらえればと思います。
やりたいことが自分たちでできるようになってきましたし、一夜限りではありますけど、武道館というひとつ上のステージも見せられた。ただ、ここに来るまでに約6年かかったという事実があるわけで。これからは同じことを6年かけてやるわけにはいかないと思っています。もっとスピードを上げて、短い年月で次のステージにいけるようにしたい。常にその時々のベストな方法を考えて突き進んでいきたいと思っています。
Best Album
『Chapter 1』
NOW ON SALE
商品形態(全5種)
[A] 【初回生産限定盤】AL2枚組+DVD+グッズ
品番:RZZD-67255~6/B
価格:¥16,500
[B] 【初回生産限定盤】AL2枚組+Blu-ray Disc+グッズ
品番:RZZD-67257~8/B
価格:¥16,500
[C] AL2枚組+DVD
品番:RZCD-67259~60/B
価格:¥8,800
[D] AL2枚組+Blu-ray Disc
品番:RZCD-67261~2/B
価格:¥8,800
[E] AL2枚組
品番:RZCD-67263~4
価格:¥5,500
LIVE information
『BALLISTIK BOYZ ARENA LIVE 2025 " IMPACT"』
6/21(土)・22(日) ワールド記念ホール(兵庫)
https://www.ldh-liveschedule.jp/sys/tour/32783/
photography_河合克成(株式会社125)
styling_中瀬拓外
hair&make_MIU(KIND)
text_小林千絵
【衣装クレジット】
1着目_《ディーゼル》のフード付きシャツ¥57,200(ディーゼル ジャパン)
《ウィザード》の中に着たシャツ¥36,300(ティーニーランチ)
《エーアイイー》のパンツ¥35,200(ネペンテス)
その他・スタイリスト私物
2着目_《エンジニアド ガーメンツ》のジャケット¥67,100(エンジニアド ガーメンツ)
《サウス2 ウエスト8》のメッシュカットソー¥30,800、中に着たカットソー¥14,300(ともにサウス2 ウエスト8)
《ニードルズ》のパンツ¥30,800(ネペンテス)
その他・スタイリスト私物
【お問い合わせ先】
ディーゼル ジャパン
〒542−0076 大阪府大阪市中央区難波5−1−60 なんばスカイオ25F
0120−55−1978
ティーニーランチ
〒150−0001東京都渋谷区神宮前2−24−4
03−6812−9341
ネペンテス
〒150−0001 東京都渋谷区神宮前5−44−1
03−3400−7227
エンジニアド ガーメンツ
〒107−0062 東京都港区南青山5−11−15 H&M南青山101
03−6419−1798
サウス2 ウエスト8
〒060−0062 北海道札幌市中央区南2条西8−2−1
011−280−7577

1st Best Album『Chapter 1』が完成しました。これまでリリースした楽曲の数々を改めて並べてみていかがですか?
デビューして5年が経つのですが、「こんなに曲を出していたんだ」という率直な気持ちと、「本当にいろんなことがあったな」という気持ちです。
収録曲の中で「特に好きな曲を挙げてください」と言われたら?
うわぁ、いっぱいあるんですけど……単純に、聴いていて好きなのは「360°」「マーメイド」「Life Is Party」……あとは「BLAST OFF」と「NU WORLD」かな。
たくさん選んでいただきましたが、普段から自分たちの曲はよく聴きますか?
いや、これは僕なりのポリシーで。自分たちの曲って、ライヴでも歌うし、レコーディングでもメチャクチャ歌うので、歌うときになるべく常に新鮮な気持ちでいたいんです。だからレコーディング前も、僕はそんなに聴き込まずにいきます。聴きすぎると自分の中での正解が固まっちゃって、そこから崩せなくなっちゃうので。ライヴでも、たとえばブレスの位置とか、どれくらい伸ばすとか、うろ覚えくらいのほうがそのときの気持ちで表現できる気がしていて。
確かに。そうしないとライヴのときに飽きてしまったりしますもんね。
そうなんですよ。「あ、来たわ」「またこの曲か」みたいな気持ちには絶対になりたくないので。だから逆に、「マーメイド」とかラップ曲は普段からよく聴きます(笑)。
今、聴いていて好きな曲を挙げていただきましたが、では歌っていて気持ちいい曲はありますか?
「Life Is Party」「360°」「In My Eyes」ですかね。フロウが気持ちいいんですよね。
では、歌詞が好きな曲は?
歌詞は「Chasin’」とか結構好きですね。「Chasin’」はメンバーが歌詞を書いているからリアルな想いだし、歌いながら「そんなことあったよな」って思い出せるから余計に。「N.E.X.T.」もタイにいたときの想いをメンバーで話し合って歌詞にした曲だから好きですね。やっぱりメンバーが書いた歌詞はどうしても思い入れも深くなります。
ではMusic Video(以下MV)で特に好きなものや印象的なものは?
断然「テンハネ -1000%-」ですね。
LA(ロサンゼルス)で撮影したんですもんね。改めて今「テンハネ -1000%-」のMVをご覧になってどう感じますか?
いや~、やっぱりすごいなと思います。撮影のときは、警察に協力してもらって大きな橋を通行止めにして撮ったんですよ。その規模感もすごいなと思いました。
加納さんご自身の約6年間を改めて振り返っていただきたいのですが、まずはこれまでのBALLISTIK BOYZの活動のなかでいちばん楽しかったことは何ですか?
楽しかったことか~。楽しかったことは、普通にメンバーとお仕事でいろんな経験をさせてもらえることですね。たとえばCLでみんなでボードゲームをしたり、ライヴで各地に行ったり。そうやって、メンバーと笑い合いながらいろいろなことを乗り越えてきた感覚があって。そういうことひとつひとつが楽しかったですね。
最初からこんなに仲良くなる自信はありましたか?
そうですね。マサ(砂田将宏)、(奥田)力也、(深堀)未来はニューヨークから帰ってきて、わりとすぐだったこともあって、最初からすごくフランクだったんですよ。会った瞬間「What's up bro?」みたいな(笑)。普通だったら「これからよろしくお願いします」から始まると思うんですけど、その3人は「よっしー、『週刊EXILE』見てたよ!」って最初に言ってくれたりして。だからそのあたりの距離の詰め方は、ほかのグループとは違ったのかなと思いますね。
きっとまとっている空気感なんかも似ているものがあったんでしょうね。素敵な関係性ですね。
お互いにリスペクトもありつつ仲がいいっていう感じですね。久しぶりにステージに立ったりするといつも思うんですよ、「これ、ひとりだったら緊張して不安になっているだろうけど、この7人だったらいけるっしょ」って。その気持ちは、最初のころも思っていましたし、今でも思っています。

では、これまででいちばん悔しかったことは?
コロナ禍ですね。というのも、今思うと、BALLISTIK BOYZって最初めっちゃ調子良かったんです。ニューヨークから帰ってきた3人が入って、LDHで初めて全員が歌って踊るグループで。勢いが半端なくて、会社からも期待されていた。実はデビューの時点で、海外ツアーとか海外のフェスも決まっていたんです。デビューアルバム(2019年5月発売『BALLISTIK BOYZ』)収録曲の「テンハネ -1000%-」のMVは、最初なのにLAで撮ったりして。本当に会社が注目しているグループだったんですけど……その直後にコロナ禍になって。ツアーも3公演で中止になり、海外のフェスの話もなくなり……。「そりゃ、そんな上手くいくわけねえよな」っていう感じでしたね。
ちょっといじわるな質問をしますが、コロナ禍前、そんなにトントン拍子に物事が進んで、不安はなかったですか? 「実力が見合っていないんじゃないか」と思ったりとか。
いや、それはなかったですね。自分でもカッコいいグループだと思っていました。もちろん自分に対しては「もっとこうなりたい」みたいなものはありましたけど、グループを客観的に見ると「イケてるメンバーしかいないな」と思って。ただ、不安ではないですけど「このままいったらどうなっちゃうの!?」みたいな感じはありましたね。特に僕はほかのメンバーと違って、EXPGにいた期間も短くて、先輩のツアーのサポートメンバーもやってこなかった。EXPGに入って、すぐにオーディションが始まって、気がついたらBALLISTIK BOYZになっていて………みたいな感じだったから、すべてが新しくて、「なんだこれは」と思っているうちにどんどん物事が進んでいった感じでしたね。僕ひとりじゃ見られない夢を、メンバーがいたから見せてもらえているんだとは思っていました。
そんななかでコロナ禍がやってきたわけですが、コロナ禍ではどのようにモチベーションを保っていたのでしょうか?
ずっと葛藤していました。発信することが正解なのかもわからなかったし、だけど、僕らのメッセージで元気になってくれる人もいたし。僕は宮城出身で、3.11(東日本大震災)のときに被災地にEXILEさんが来てくれて、それが「LDHのアーティストになりたい」と思ったきっかけなんですけど、その時期にちょっと似ているなと思いました。「EXILEさんは被災地に来てくれたよな」と思うと、発信だけでもするべきだよなって思ったりして。でもずっと正解がわからなかった。だけど、そんなことをずっと続けているわけにもいかないよなって、みんなで話しながら、なんとか支え合っていたという感じでした。
ではこれまでの活動の中でいちばんうれしかったことは?
何だろうな〜。
デビューや武道館公演でしょうか?
武道館は、僕的には「うれしい」というよりは、「ようやく」という感じだったんですよね。コロナ禍があって、そのあとタイに行かせてもらって……と、いろいろなことを経てようやくたどりつけたもの。それまでの努力や時間が報われた瞬間でした。たぶんBALLY'Sの皆さんもようやくひとつ上のステージを見られたと思ってくれたんじゃないかな。そう考えると、グループで「バンザイ!」ってなるくらいうれしかったことと言ったら、やっぱりデビュー当時ですかね。デビュー決定とか、MVをLAで撮れたことなどがうれしかったです。
「この人と共演できてうれしかった」「先輩にこんなことを言ってもらった」とか、加納さん個人としてうれしかったことはありますか?
すごく印象に残っているのは、福岡での年越しライヴ(『LDH PERFECT YEAR 2020 COUNTDOWN LIVE 2019▶2020 "RISING"』)で、EXILEさんと一緒にEXILEさんの曲を踊れたこと。しかもドームで。それはすごく特別な思い出でした。
お話を伺っていると、憧れはかなえつつも、やはり悔しさの多い6年だったのかなと思います。デビュー当時に思い描いていた6年と、実際の今、比べるとやはり違いますか?
大違いですね。デビュー当時のイメージだと、武道館をやっていたころには、ドームをやっていたくらいのイメージでした。デビューしたときが本当に勢いがあったから、当時いい意味で目標がどんどん塗り替えられていったんです。「この勢いでいったら、来年アリーナできるぞ」とか。だけどコロナ禍の影響で塗り替えられてしまって。「ここに向けて頑張ろうよ」って目標を立て直してみてもギリ届かない、みたいなことの繰り返しで。そんな中でようやく届いた武道館という感じでした。
それは本当に苦しい6年間でしたね。
苦しかったです。
それでも続けて来られた理由は何ですか?
単純に歌が好きということと、メンバーが良かったから。メンバーと一緒にいて楽しいんです。あとは応援してくださる方の存在も。ここまでついてきてくれたから無下にはできないなという気持ちはすごくあります。僕らの活動があって頑張れているという言葉をもらうこともあって、そう思うと、BALLISTIK BOYZの夢は、僕ひとりだけの夢じゃないんだなと思えた。メンバーみんなで描いている夢を、僕ひとりで潰せないなって。
ということは、辞めたいと思ったことがある……?
いや、それはないです。「もしこの状況で僕が消えたらどうなるんだろう」「今、ここで僕がやりたくないと言って逃げたらどうなるんだろう」と想像したことはありますけど、実際に辞めたいと思ったことはないです。

ではここからはメンバーについて聞かせてください。加納さんから見たそれぞれのメンバーの魅力や出会ってからの変化を教えてください。まずは日髙(竜太)さん。
竜太くんは最初から責任感は強かったですが、グループになってからは、リハーサルも先陣切ってまとめてくれたり引っ張ってくれたりして。ずっとみんなのお兄ちゃん的存在です。変化でいうと、もともとはジムとか行ってなかったんですけど、いつの間にか開花して。それからは定期的にジムに行って鍛えています。
日髙さんとは『VOCAL BATTLE AUDITION 5』から一緒だったかと多いますが、第一印象はいかがでしたか?
竜太くんは『VOCAL BATTLE AUDITION 4』にも出ていたのでもともと知っていたし、僕は『VOCAL BATTLE AUDITION 5』では竜太くんが目標で一番のライバルという感覚で。歌も上手いし、ダンスもできるしで、すごいなと思っていました。
今も同じヴォーカリストとしてライバル心はありますか?
どうなんだろう。僕はそこまで意識はしていないですけど……ライヴでたまにいつもと違う歌い方をしていたり、いつもよりもいい歌を歌っていると「いいね!」ってお互いに言い合うみたいな感じはあるんですよ。だからライバルというか、ひとりの歌い手としてお互いを見ているのかなと思います。ちょっと小っ恥ずかしいですけど、今でもお互いの「おっ」と思ったときは思わず言っちゃいますね。
続いては海沼(流星)さん。
流星は特攻隊長みたいな感じ、いい意味で暴れ回ってくれるキャラという印象だったんですけど、いろいろな経験をしていくなかで、ギャップがあることに気付いて。そのギャップがすごくいいなと思いました。ゲームが超好きだったり、CLとかではあまりしゃべらないのにライヴになると派手にパフォーマンスするみたいな。
海沼さんのパフォーマンスはどう見ていますか?
特攻隊長って言われていたこともあって、曲の最初を流星が担当することが多くて。身体を大きく使ってラップしながら踊るという印象があります。あとはグループの中で唯一のミックス。ポルトガル語も話せたりして、グループに花を添えてくれる存在でもあるなと思います。
では続いて深堀さん。
未来はクリエイティブな面が強い。絵もすごく上手だし、音楽も作れる。実際にこのアルバムの中にも未来が作った曲もあって、僕たちが自己プロデュースしていくうえで欠かせない存在ですね。あとは、趣味に対してもそうですけど、やると決めたことに対する集中力がずば抜けていて。たとえばF1にハマったらゲーム用のハンドルを買ったり。最近はルービックキューブにハマっているんですけど、1日中カチャカチャやっていて。そういうときの集中力がすごいなと思います。
パフォーマンスの面ではいかがですか?
初期の曲の振り付けは未来が作ってくれていることが多かったのですが、個人的には未来の振りの音の取り方が好きでした。今でも「またメンバーが作った振りで踊りたいな」と思うときがあります。
続いて奥田さん。
力也はいわゆるムードーメーカー。みんなでいるときには笑わせてくれますし。フレンドリーなので気に入られる素質を持っているなと思います。あとニューヨークから来ているというのもあって、ラップやパフォーマンスがカッコいい!
出会ってから変化したなと思うところはありますか?
変化か~。いい意味で、たぶんいちばん変わっていないのが力也なんじゃないかな。メンバーが落ちているときに連絡くれるのも力也なんですよね。実際僕もそういうことがあって、そのときは僕がそのときいる場所まで会いに来てくれました。メンバー愛が人一倍強いのかな。その絆は6年間で培われたものだと思いますし、その絆を大切にしてくれる力也は、メンバーにとっての拠りどころになっているなと感じます。
では松井(利樹)さんはいかがでしょう?
「この6年間の中で誰がいちばん変わったか?」という質問をされたときに、僕はいつも利樹と答えています。デビュー当時の作品とかを見てもらえればわかると思うんですけど、見た目がいちばん変わりましたし、ダンスの踊り方も変わって。なんなら別人なんじゃないかと思うくらい変化したメンバーですね。

内面はいかがですか?
もともとあまり自分から意見を言うタイプではなかったですけど、こだわりは強くて。メンバーで何でも言い合えるようになってからは、ファッションが好きなこともあって、「今のBALLISTIK BOYZはこうだから、こう写すのがいいんじゃない?」とか「今回はこういう衣装が合うんじゃない?」って客観視しながら自分のこだわりを入れてくれます。
最後は砂田さん。
マサは最年少なこともあって、この6年でめっちゃ大人になったなという印象ですね。出会ったころは確か17歳とかだったので、結構わっきゃわっきゃしていたんですけど、今は聖人みたいな感じ(笑)。たぶん老若男女誰とでも、いい意味で話せるし、クライアントさんとかテレビ局の方とかと会ってもいちばんいい話題を出してくれるんですよ。僕がそっち側だったらたぶんマサにご飯奢ってると思う(笑)。名前や顔を覚えるのも得意だし、とにかく人付き合いがメチャクチャ上手いです。将宏がいれば安心できます。
パフォーマンスの面ではいかがですか?
ずっとロン毛で、セクシーな雰囲気を出してパフォーマンスするのが得意だったんですけど、最近髪を切って。パフォーマンスもその雰囲気を活かしたものになっていてすごくいいなと思いました。カッコいいですよね。ちなみに僕は短髪のほうが好きです。
ここまでメンバー一人ひとりについて話してもらいましたが、これまでの活動の中で、メンバーに言われて印象的だった言葉や行動があれば教えてください。
何年か前、マサだったかな。「僕らって、今や家族よりも一緒にいて、同じ時間を過ごして同じ仕事して……もう家族じゃん」って言ったんですよ。それを言われたときに、ハッとしました。それまでそう思っていなかったわけじゃなかったんですけど、はっきり言われて「そうだよな」って改めて再確認したというか。グループを組んでいても、メンバーを仕事仲間と捉えている人もいると思うんですよ。どっちがいいとか悪いとかじゃないですけど、メンバーのことを「家族」って言える人ってはたしてどれくらいいるんだろうと思いました。
それを言われて、再認識してから、何か気持ちに変化はありましたか?
大きくは変わっていないですけど、さっき話した「自分ひとりの夢じゃないんだから」という、夢の共有という意識は少し変わりましたね。メンバーがかなえたいと思うことは、もちろん僕もかなえたいことでもあるし、逆に僕が諦めてしまったらみんなの夢もかなえられなくなるんだなって、改めて思うようになりました。
『Chapter 1』リリース後の6月には初の単独アリーナ公演『BALLISTIK BOYZ ARENA LIVE 2025 " IMPACT"』が兵庫・ワールド記念ホールで行われます。この公演への意気込みを聞かせてください。
武道館は1日のみでしたが、今回はアリーナ2DAYS。ようやくアリーナツアーが視野に入ってきたところなので、「やっぱりBALLISTIK BOYZのライヴって楽しいよね」「バリのライヴはホールじゃなくて、この規模で観るのがいいよね」って思ってもらえるようなライヴにしたいですね。可能性を見せていきたいです。
ホールからアリーナへと規模が大きくなると、演出などでできることが増える一方で、お客さんとの距離が少し遠くなってしまうという点もありますが、そのあたりはどんな風に考えていますか?
もちろん距離の近いライヴも僕は好きですけど、大きいステージでやると、特効があったり、大きく映し出された映像が使えたり、その映像に合わせてステージに装飾が施されていたりと、大きくなればなれるほどできることが増えていく。そういうものを活かして作り上げる世界観を楽しんでもらいたいなと思っています。
そういうものも含めて「BALLISTIK BOYZはアリーナが合うよね」って思ってもらえるライヴを目指すということですね。
そうです。そういうところも含めて楽しんでもらえるようなライヴにしますので、楽しみにしていてもらえればと思います。
ここから始まるBALLISTIK BOYZの第二章。どんな第二章になりそうですか?
やりたいことが自分たちでできるようになってきましたし、一夜限りではありますけど、武道館というひとつ上のステージも見せられた。ただ、ここに来るまでに約6年かかったという事実があるわけで。これからは同じことを6年かけてやるわけにはいかないと思っています。もっとスピードを上げて、短い年月で次のステージにいけるようにしたい。常にその時々のベストな方法を考えて突き進んでいきたいと思っています。
『Chapter 1』
NOW ON SALE
商品形態(全5種)
[A] 【初回生産限定盤】AL2枚組+DVD+グッズ
品番:RZZD-67255~6/B
価格:¥16,500
[B] 【初回生産限定盤】AL2枚組+Blu-ray Disc+グッズ
品番:RZZD-67257~8/B
価格:¥16,500
[C] AL2枚組+DVD
品番:RZCD-67259~60/B
価格:¥8,800
[D] AL2枚組+Blu-ray Disc
品番:RZCD-67261~2/B
価格:¥8,800
[E] AL2枚組
品番:RZCD-67263~4
価格:¥5,500
LIVE information
『BALLISTIK BOYZ ARENA LIVE 2025 " IMPACT"』
6/21(土)・22(日) ワールド記念ホール(兵庫)
https://www.ldh-liveschedule.jp/sys/tour/32783/
photography_河合克成(株式会社125)
styling_中瀬拓外
hair&make_MIU(KIND)
text_小林千絵
【衣装クレジット】
1着目_《ディーゼル》のフード付きシャツ¥57,200(ディーゼル ジャパン)
《ウィザード》の中に着たシャツ¥36,300(ティーニーランチ)
《エーアイイー》のパンツ¥35,200(ネペンテス)
その他・スタイリスト私物
2着目_《エンジニアド ガーメンツ》のジャケット¥67,100(エンジニアド ガーメンツ)
《サウス2 ウエスト8》のメッシュカットソー¥30,800、中に着たカットソー¥14,300(ともにサウス2 ウエスト8)
《ニードルズ》のパンツ¥30,800(ネペンテス)
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【お問い合わせ先】
ディーゼル ジャパン
〒542−0076 大阪府大阪市中央区難波5−1−60 なんばスカイオ25F
0120−55−1978
ティーニーランチ
〒150−0001東京都渋谷区神宮前2−24−4
03−6812−9341
ネペンテス
〒150−0001 東京都渋谷区神宮前5−44−1
03−3400−7227
エンジニアド ガーメンツ
〒107−0062 東京都港区南青山5−11−15 H&M南青山101
03−6419−1798
サウス2 ウエスト8
〒060−0062 北海道札幌市中央区南2条西8−2−1
011−280−7577
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