橘ケンチは、2021年より「福井市食のPR大使」を歴任。また、LDH JAPANは福井市と地域活性化連携協定を結び、食を中心に観光や教育、文化などの分野で連携し、さまざまなアプローチで福井の魅力を発信している。その中で今回、代表銘柄『梵(BORN)』が国賓歓迎晩餐会や国際行事など世界118ヵ国で愛飲されている鯖江市の老舗酒蔵・加藤吉平商店を訪れた。これまで数多くの酒蔵を探訪し、酒サムライとして日本酒の魅力を国内外に発信する橘ケンチが体感したものとは――。
『梵』は銘酒揃いの福井酒を代表する銘柄のひとつ。海外での知名度は数ある日本酒の中で一、二を争うほどなので、もちろんお名前は存知上げていましたし、何度か飲ませていただいて、いつか訪れてみたいと思っていました。昨年3月に北陸新幹線福井駅が開業した当日、光栄にも「福井市特別1日駅長」を務めさせていただいた際に第十一代目蔵元の加藤団秀さんとお会いし、縁が生まれたことがきっかけです。
まず酒蔵の規模に驚きました。国の重要文化財に指定され、かつての吉江藩の宝が展示されている歴史的建築には風格が漂い、一方で何十台と稼働する精米機など最新設備が揃うファクトリーまで、これまで訪れた酒蔵の中でもトップクラスの規模でした。すべての環境で温度管理や制御、災害時のリスクヘッジまで徹底されていたことが強く印象に残っています。
加藤さんは“日本酒のグローバル化”を推進し始めた先駆者で、年間百何十日も世界各地へプロモーションに飛び立つバイタリティの塊のような方。訪れたときは、付きっきりで蔵の歴史や酒造りのこだわりを熱く語っていただきました。フィールドは異なりますが「多くの人を幸せにしたい」という想いに通じるもの感じ、非常に刺激を受けましたね。
最高級とされる兵庫県特A地区で契約栽培された山田錦や地元産の五百万石といった厳選した酒米、地下180mから汲み上げる白山連峰の伏流水と米麹のみを使用した完全無添加の純米酒です。日本酒造りは、酒米を磨くほど雑味がなくなりすっきりとした味わいになるのですが、加藤さんはご自身で精米機を設計するなど磨きにこだわられていて、ピュアな味わいが心に響きました。さらに、1年から長いもので10年、マイナス10度という超低温の温度帯で熟成させることでなめらかな口当たりになっていて、芳醇な香りと米の旨味も堪能できます。
かつて昭和天皇の即位式に供される地方選酒として選ばれ、今や世界中のおもてなしの場で振る舞われているのも納得の味でした。日本酒フリークはもちろん、ビギナーの方でも飲みやすいタイプなど多彩にあるので、おすすめです。
たくさん試飲させていただいた中で、1本を選ぶとしたら『梵・プレミアムスパークリング』。日本酒の最高ランクである精米歩合20%の純米大吟醸の生原酒と酵母を、フランス製のシャンパン瓶で約1ヵ月封じ込め、さらにマイナス10℃で1年以上熟成させた瓶内二次発酵のスパークリング日本酒で、口に入れた瞬間に細やかな泡とともに華やかな香りが広がり、旨味が押し寄せます。これからの新生活の門出やお祝いの席にぴったりの銘酒です。
福井は白山の伏流水をはじめ美しい水や気候風土に恵まれているので国内有数の米どころになり、銘醸地になった歴史があります。それは「地元の魅力を伝えたい」という熱い想いをもった造り手の地道な尽力と発信があったからこそ、多種多様な福井酒が楽しめるようになったことを再認識できました。
これまで全国の実力派酒蔵とコラボレーションした日本酒を開発し、今年1月にドラマされた日本酒擬人化マンガ『あらばしり』(2025年3月現在、読売テレビ系列で放映中)の企画原案を担当するなど、橘ケンチしかできないエンタメとの掛け合わせで、直接的に日本酒に関わってきました。その活動は2023年にSocial Innovation Officerに就任したことでフェーズが一段階進み、今は全国各地の方々と向き合いながら地域共生や社会貢献に従事する中で、日本酒を各地の魅力を発信するひとつの要素としてとらえるようになりました。
そうです。昨年末に日本酒を含む日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、今春から「大阪・関西万博」が始まることもあって、今日本酒はより注目を集めています。その中で国内外に魅力を発信する一助になれればうれしいです。個人的にも日本酒への愛は落ち着くどころか年々高まっていて、ライフワークとしても酒蔵探訪は続けていくので、酒場でお会いしたときは乾杯しましょう(笑)。
福井は「越前おろし蕎麦」をはじめ、ほかにはない名物があるだけでなく、日本海の魚介や大自然が育む四季折々の野菜、黒毛和牛の「若狭牛」など食材の宝庫です。昔から地酒は、その土地の食文化に調和した味を目指して醸造されているので、ライヴの前後に県内を巡りながら美食とともに福井酒を堪能してほしいですね。
EXILEはもともとダンス&ヴォーカルグループだったのが、時代の流れのなかでメンバーが入れ替わり、進化と深化を繰り返すなかで、今は単なるグループという枠組を超えた大きなプロジェクトになっています。結成当初から変わらない夢は日本を、ひいては世界を元気にすること。その手段となる歌とパフォーマンスを日本人的な感性で掘り下げると「まつり」という考えにいたりました。まず第1弾『EXILE LIVE TOUR 2025 "WHAT IS EXILE"』ツアーを皮切りに、EXILEならではのクリエイションで日本中にまつりを届けます。
このツアーは、改めて「EXILEとは?」という原点に立ち返りながら、未来に向けて可能性を探っていくために、核となるEXILEの6人と各地で異なるメンバーが、EXILEの名曲を歌って踊る前代未聞のチャレンジです。初めてステージをともにする後輩もいるので、すごくワクワクしていますね。メンバーだけでなくファンの方々とともに未来のEXILEを創造する新しいステージになると思うので、楽しみにしていてください。
LIVE information
『EXILE LIVE TOUR 2025 "WHAT IS EXILE"』
3月29日(土) サンドーム福井(福井)
4月19日(土)・20日(日) エコパアリーナ(静岡)
5月17日(土)・18日(日) 幕張メッセ国際展示場(千葉)
5月30日(金)・31日(土)・6月1日(日) ワールド記念ホール(兵庫)
https://www.ldh-liveschedule.jp/sys/tour/31765/
photography_鈴木規仁
text_藤谷良介

加藤吉平商店を訪れることになった経緯を教えてください。
『梵』は銘酒揃いの福井酒を代表する銘柄のひとつ。海外での知名度は数ある日本酒の中で一、二を争うほどなので、もちろんお名前は存知上げていましたし、何度か飲ませていただいて、いつか訪れてみたいと思っていました。昨年3月に北陸新幹線福井駅が開業した当日、光栄にも「福井市特別1日駅長」を務めさせていただいた際に第十一代目蔵元の加藤団秀さんとお会いし、縁が生まれたことがきっかけです。
酒蔵を訪れて印象に残っていることを教えてください。
まず酒蔵の規模に驚きました。国の重要文化財に指定され、かつての吉江藩の宝が展示されている歴史的建築には風格が漂い、一方で何十台と稼働する精米機など最新設備が揃うファクトリーまで、これまで訪れた酒蔵の中でもトップクラスの規模でした。すべての環境で温度管理や制御、災害時のリスクヘッジまで徹底されていたことが強く印象に残っています。
十一代目蔵元の加藤団秀さんとはどういったお話をしましたか?
加藤さんは“日本酒のグローバル化”を推進し始めた先駆者で、年間百何十日も世界各地へプロモーションに飛び立つバイタリティの塊のような方。訪れたときは、付きっきりで蔵の歴史や酒造りのこだわりを熱く語っていただきました。フィールドは異なりますが「多くの人を幸せにしたい」という想いに通じるもの感じ、非常に刺激を受けましたね。


代表銘柄『梵』を試飲されていかがでしたか?
最高級とされる兵庫県特A地区で契約栽培された山田錦や地元産の五百万石といった厳選した酒米、地下180mから汲み上げる白山連峰の伏流水と米麹のみを使用した完全無添加の純米酒です。日本酒造りは、酒米を磨くほど雑味がなくなりすっきりとした味わいになるのですが、加藤さんはご自身で精米機を設計するなど磨きにこだわられていて、ピュアな味わいが心に響きました。さらに、1年から長いもので10年、マイナス10度という超低温の温度帯で熟成させることでなめらかな口当たりになっていて、芳醇な香りと米の旨味も堪能できます。
その感想を聞くだけで飲みたくなります。
かつて昭和天皇の即位式に供される地方選酒として選ばれ、今や世界中のおもてなしの場で振る舞われているのも納得の味でした。日本酒フリークはもちろん、ビギナーの方でも飲みやすいタイプなど多彩にあるので、おすすめです。
試飲された中で、おすすめの日本酒は?
たくさん試飲させていただいた中で、1本を選ぶとしたら『梵・プレミアムスパークリング』。日本酒の最高ランクである精米歩合20%の純米大吟醸の生原酒と酵母を、フランス製のシャンパン瓶で約1ヵ月封じ込め、さらにマイナス10℃で1年以上熟成させた瓶内二次発酵のスパークリング日本酒で、口に入れた瞬間に細やかな泡とともに華やかな香りが広がり、旨味が押し寄せます。これからの新生活の門出やお祝いの席にぴったりの銘酒です。
今回、加藤吉平商店を訪れて、改めて福井の食の魅力に気付きはありましたか?
福井は白山の伏流水をはじめ美しい水や気候風土に恵まれているので国内有数の米どころになり、銘醸地になった歴史があります。それは「地元の魅力を伝えたい」という熱い想いをもった造り手の地道な尽力と発信があったからこそ、多種多様な福井酒が楽しめるようになったことを再認識できました。


今後の日本酒活動の展望をお聞かせください。
これまで全国の実力派酒蔵とコラボレーションした日本酒を開発し、今年1月にドラマされた日本酒擬人化マンガ『あらばしり』(2025年3月現在、読売テレビ系列で放映中)の企画原案を担当するなど、橘ケンチしかできないエンタメとの掛け合わせで、直接的に日本酒に関わってきました。その活動は2023年にSocial Innovation Officerに就任したことでフェーズが一段階進み、今は全国各地の方々と向き合いながら地域共生や社会貢献に従事する中で、日本酒を各地の魅力を発信するひとつの要素としてとらえるようになりました。
より大きな枠組みでアプローチしていく中のフックになるような?
そうです。昨年末に日本酒を含む日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、今春から「大阪・関西万博」が始まることもあって、今日本酒はより注目を集めています。その中で国内外に魅力を発信する一助になれればうれしいです。個人的にも日本酒への愛は落ち着くどころか年々高まっていて、ライフワークとしても酒蔵探訪は続けていくので、酒場でお会いしたときは乾杯しましょう(笑)。

『EXILE LIVE TOUR 2025 "WHAT IS EXILE"』ツアーの初日となる3月29日(土)福井公演には、福井県外からもお客さんが足を運ばれるかと思います。その際、福井エリアの食や日本酒をどのように楽しんでほしいですか?
福井は「越前おろし蕎麦」をはじめ、ほかにはない名物があるだけでなく、日本海の魚介や大自然が育む四季折々の野菜、黒毛和牛の「若狭牛」など食材の宝庫です。昔から地酒は、その土地の食文化に調和した味を目指して醸造されているので、ライヴの前後に県内を巡りながら美食とともに福井酒を堪能してほしいですね。
先日発表された『PROJECT EXILE』について改めて教えてください。
EXILEはもともとダンス&ヴォーカルグループだったのが、時代の流れのなかでメンバーが入れ替わり、進化と深化を繰り返すなかで、今は単なるグループという枠組を超えた大きなプロジェクトになっています。結成当初から変わらない夢は日本を、ひいては世界を元気にすること。その手段となる歌とパフォーマンスを日本人的な感性で掘り下げると「まつり」という考えにいたりました。まず第1弾『EXILE LIVE TOUR 2025 "WHAT IS EXILE"』ツアーを皮切りに、EXILEならではのクリエイションで日本中にまつりを届けます。
最後に、ツアーへの意気込みをお願いします。
このツアーは、改めて「EXILEとは?」という原点に立ち返りながら、未来に向けて可能性を探っていくために、核となるEXILEの6人と各地で異なるメンバーが、EXILEの名曲を歌って踊る前代未聞のチャレンジです。初めてステージをともにする後輩もいるので、すごくワクワクしていますね。メンバーだけでなくファンの方々とともに未来のEXILEを創造する新しいステージになると思うので、楽しみにしていてください。

LIVE information
『EXILE LIVE TOUR 2025 "WHAT IS EXILE"』
3月29日(土) サンドーム福井(福井)
4月19日(土)・20日(日) エコパアリーナ(静岡)
5月17日(土)・18日(日) 幕張メッセ国際展示場(千葉)
5月30日(金)・31日(土)・6月1日(日) ワールド記念ホール(兵庫)
https://www.ldh-liveschedule.jp/sys/tour/31765/
photography_鈴木規仁
text_藤谷良介