2025.4.1

1stエッセイ『JOKER』刊行記念イベント

  • THE RAMPAGE FC対象
  • 一部フリー
2月20日に1stエッセイ『JOKER』(幻冬舎)を発売した陣。今作はパフォーマーであり、グループのリーダーとしてTHE RAMPAGEの16人をまとめる陣がこれまで明かされることのなかったグループの歴史やメンバーとの関係性、今だから話せるエピソードなどTHE RAMPAGEの10年の軌跡を語った1冊となっている。タイトルに込めた想いやメンバーからの反応など、2月22日に行われた刊行記念イベントに登壇した陣に聞いたインタビューを紹介する。


完成した1stエッセイ『JOKER』を手に取った感想を教えてください。


まずは「ほっとした」の一言でした。最初に幻冬舎さんからお話をいただいたとき「陣ひとりで大丈夫か?」という不安もあったのですが、「そんな陣さんにぜひ書いていただきたい」と言っていただきまして。自分の人生を振り返ったり、THE RAMPAGEの活動の中で経験したことや感じたこと、それを経て今何を考えているかなどをお話しさせていただいた結果、自分にしか書けない1冊ができたなと感じています。最高な1冊になったと思います。

タイトル『JOKER』に込めた想いを教えてください。


実はタイトルは最後まで決められなくて……。そんななかで、近くで担当してくださっていた方がいろいろ提案してくださった案のひとつが『JOKER』でした。僕は普段から冗談を言ったりするのが好きなので、その意味での『JOKER』。それと、トランプのジョーカーって切り札的に使うじゃないですか。だから“THE RAMPAGEの切り札”でもあるということを言ってくださって。……って自分で言うのはすごく恥ずかしいんですけど。その説明を聞いて、『JOKER』に決めさせていただきました。

本書では、陣さんのインタビューのほかに、地元・大阪を訪れるなど、盛りだくさんの内容になっていますが、特に印象に残った衣装や企画はありますか?


どこを切り取っても自分のなかで大事なポイントではあるのですが、中学校の恩師に会いに行ったことは印象的ですね。その先生は社会の先生だったんですけど、先生の1回目の授業のときに「俺はいつも生徒に伝えている言葉があるんや」と言って、アンドリュー・カーネギーの墓に刻まれている「自分より優れたる人を自分の周りに集めたる人、ここに眠る」という言葉を教えてくれたんです。当時の僕にその言葉が刺さって。聞いて速攻でノートの表紙に書きました。その言葉が今でも生きているなと思うんです。それこそ“自分より優れたる人”……つまり、才能のある人は僕で言うところのTHE RAMPAGEのほかのメンバー15人。僕にはないものを持っている15人が、今自分の周りにいる環境って、先生がそのとき「大事にしろよ」と言ってくれたものに近いのかなと思って。そういう人たちをリスペクトしながら一緒に夢を追いかけていくことができる今につながっている気がして、この言葉は今後も大事にしていこうと、改めて感じました。

では、本書の制作過程でいちばん大変だったことは何ですか?


この本の制作はとにかく思い出す作業で。たとえばオーディションだったら10年前。そんなオーディションのことだったり、メンバーと喧嘩した思い出だったり。これまでにいろいろなメディアで話をさせてもらってきているので、ここでまた同じ話をするのもなと思い、今まで話してこなかったトピックを思い出して切り出す作業は、「大変」というのとはまたちょっと違いますが……頑張りました。

THE RAMPAGEのメンバーにはもう渡されましたか?


はい。(与那嶺)瑠唯にはおととい、ほかのメンバーには昨日、直接メッセージを入れて渡しました。その場で読んでいるメンバーもいれば、帰ってから読むと言ってくれるメンバーもいました。“メンバーから見た陣と陣から見たメンバー”というページがあるのですが、(武知)海青はそのページを見て「かわいいかわいい」と言っていて。どこがかわいいと思ったのかを聞いたら、(鈴木)昂秀が「僕がいちばん怒られた自信があります」みたいなことを言っていたり、(藤原)樹は「こんなに仲良くなるとは思っていませんでした」みたいなことを言っていたりして、メンバー同士のやりとりがかわいいと思ったそうです。普段の僕らの関係性が滲み出ていていいとも言ってくれました。あと、(川村)壱馬は目次を見てパッと閉じて「これ絶対におもしろいから、家に帰ってゆっくり読もう」と言ってくれたので読んでくれていると思います。それに比べて(神谷)健太は受け取ったあと速攻テーブルの隅っこのほうに置いていて、読んでもらえる未来を感じなかった(笑)。だから今後、定期的に「読んだ?」って聞こうかなと思います(笑)。さっきもブログに「『JOKER』を発売しました」と書いたんですけど、そうやってサブリミナル的に『JOKER』を話題に出して、メンバーみんなに「読んでみようかな」と思わせていきたいと思います(笑)。

フォトセッションの際に見せてくださった扉のページの撮影時のエピソードなどがあればお聞かせください。


デニムの衣装の撮影のときに、担当編集の方に「かわいらしい陣さんが見たい」と言われて。正直、僕は照れくさくてあまり乗り気じゃなかったのですが、そのなかでも頑張ったのがこれです(笑)。『JOKER』というタイトルで、表紙も睨みつけたような写真ですが、中では普段の僕の話をしているので、自然な表情がいいかなとは僕も思ったんですけど……かわいらしいものをと言われて頑張って振り絞ったポーズが、“唇を噛む”でした(笑)。

初めてのエッセイを書いてみていかがでしたか? 意識したことなどがあれば教えてください。


まずエッセイを書くと決めたときに、どういう人に向けて書こうかとすごく考えました。もちろんファンの方は手に取ってくださると思ったんですけど、そのほかにと考えたときに、今のこの時代を生きている人に向けて書きたいなと思いました。それは別に共感してほしいとかそういうことではなく、今グループに所属してリーダーをやっている人が、こういうことを考えているんですということを言いたいと思った。それに対して「私の考えはこうだ」とか「いやいや、僕はこっちのほうがいいと思う」という人がいることは良くて。ただ、僕の考えが本になることによって、そうやって誰かの意見が生まれたらいいなと思った。だからあまり押し付けがましくなりすぎないようにバランスを意識しながら、今を生きる皆さんに向けて書きました。

今作ではご自身の人生を振り返ったと思うのですが、そのなかで発見したことはありますか?


自分の人生を振り返って、母親の存在は大きいんだなと思いました。この本の中では、母親のことを“自分の人生にタネを蒔いてくれた人”と表現しています。ダンスのきっかけをくれたのも母親ですし、オーディションの衣装もおかんと考えましたし。デビュー前はお給料が全然なかったので、こっそり仕送りもしてもらったりもしていて。母がいなかったら、自分はこうなっていなかったなと思うので、すごく感謝しています。

本作では普段言えないことも綴られているとのことですが、陣さんは普段メンバーに言えないこともあったりするんですか?


結構ありますよ。あ、これまじめなほうですか? それともクレーム的なやつのほうがいいですか?(笑)

どちらでもいいですよ。


そうだな〜、じゃあ……THE RAMPAGEは16人いるので、リハーサルや打ち合わせで、ひとりがざわつくと結構バーっとみんながざわついちゃうんですよ。だからたとえば(浦川)翔平とかがざわついているときに、「今こっちで真剣な話してるから静かにして」とか言うじゃないですか。そしたら、その日のリハーサルずっと僕の顔色を伺うような空気になることがあって。僕としては「そんな引きずらへんから!」って思うんですけど。だから変に気を遣われるのが嫌で、注意するタイミングを考えたりはしますね。

それもリーダーとしての役割のひとつですね。リーダーとしての大変さは、やはり感じていますか?


そうですね。会社で言うと上司が部下の意見を取り入れている会社って、俯瞰してみたときにすごく雰囲気がいいなと思うんです。だから自分もそうありたいとは思っています。別にリーダーだから上とかそういうことではないですけど、立場上僕は会社の人とよく話しますし。でもだからといって僕が会社の人と全部決めてくるのではなくて、メンバーから「陣さん、これどうですか?」っていう提案がしやすい雰囲気を作りたい。フラットにみんなが意見できる環境は自分がつくっていきたいと思っています。

THE RAMPAGEはまさに“優れたる人”の集まった集団ですが、その中で陣さんご自身が“切り札”だなと思うところはどういったところでしょうか?


僕、メンタルがめっちゃ強いんですよ。「しんどいな」って思うことがあまりなくて。しんどいときって、考え過ぎてしまっていたり、まじめ過ぎてしまっていたり、自分で速度の制御ができなかったりしているときだと思うんですけど、僕はそのへんが上手い。だからメンバーの支えにはなれているのかなと思いますね。あとは外交。THE RAMPAGEってパフォーマンスだけ見るとちょっといかつく見えたり、とっつきにくそうに見えると思うんですけど、「実はこういうグループなんですよ」って外部の方に紹介するのは上手いかなと思います。

THE RAMPAGEの今後の野望を教えてください。


「野望」ですか。もう30年もすれば私も還暦なので、還暦まで今の形がそのまま続いているかと言ったら……絶対続いているとは言い切れない。でもたとえば30年後に「30年前のあの時代はTHE RAMPAGEすごかったよね」って思い返せるようなグループになりたいですね。今って移り変わりが激しくて、流行りに乗ればある程度は多くの人の目に止まれると思うんですけど、そうではなくて、自分たちが大事にしているものや自分たちに求められているものを理解して、それを発信していくことで10年後、20年後も「THE RAMPAGEは時代を彩っていたよね」と言ってもらえるグループになりたいと思っています。

陣さんは雑学をたくさん知っていると思うので……今日2月22日にふさわしい雑学をひとつ教えてください。


今日は「猫の日」ですよね。僕もラキちゃんという、世界でいちばんかわいい猫を飼っているんですけど……猫と犬って先祖が一緒なの知ってました? ミアキスという動物が古代にいたんです。そのミアキスは行動パターンがふたつに分かれていて。集団で狩りに行く仲間意識の強いミアキスがのちの犬に、森の木の上に潜んで、暗闇の中で獲物をスパッと捕まえるミアキスがのちの猫になったと言われています。……という雑学でした!(笑)

では、最後にこれから『JOKER』を手に取る方へメッセージをお願いします。


『JOKER』を読んで、THE RAMPAGEというグループをより深く知っていただけたらうれしいです。また、同じ時代を生きていて同じような悩みを抱えている人もたくさんいると思いますし、答えが見つからないまま今を生きている人もたくさんいると思います。その中で、自分のなかにある答えのようなものを、この本の中に書かせてもらっています。だから今、生きづらさを感じていたり、理不尽なものにぶつかったりしている人にも、この本を読んでもらったら、スッキリするんじゃないかなと思います。ぜひ一度読んでいただいて、一緒にこの時代を生きていければと思います。


BOOK information

『JOKER』陣(THE RAMPAGE)/幻冬舎


陣1stエッセイ『JOKER』
NOW ON SALE
定価:2,200円
仕様:四六並/176P
https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344042865/

photography_塩崎亨
text_小林千絵


この記事の続きはTHE RAMPAGE FCに
入会中の方のみご覧いただけます。